猫の水につかるカエル

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猫の水につかるカエル

ネコノミズニツカルカエル

文芸(単行本)

静かなユーモア・優しいペーソス、淡々と沁みる小説集。「父母の、友の、猫の、己の死を深く見つめる作者の眼差しが、今ここにあるかけがえのない生に向けられる時、すべての事物が記憶を語りはじめる――。


静かなユーモア・優しいペーソス・淡々と沁みる・小説集
「父母の、友の、猫の、己の死を深く見つめる作者の眼差しが、今ここにあるかけがえのない生に向けられる時、すべての事物が記憶を語りはじめる――。
静かなユーモア。優しいペーソス。
小説家・川崎徹の充実一途を示してやまない、これは生きとし生けるものへの優しい“死者の書”なのである。」――豊崎由美氏

どんな悪天候でも猫たちは待っている。濡れない、風のあたらぬ場所に体を押し入れ、全身が入らなければ頭だけでも突っ込んで待っている。わたしが現れると小さく鳴いて、自分の居場所を教える。「おじさん、ここ、ここ」と。だからわたしは雨でも雪でも休むわけにはいかないのだ。世話を続けるうちにそう思い込んでしまった。誰に強いられたのでもなかった。風雨をしのいで待つ彼等の姿を案じて気をもむより、行ってしまった方が楽なのだ。――<本文より>

収録作品
「傘と長靴」
「猫の水につかるカエル」


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目次

傘と長靴
猫の水につかるカエル

書誌情報

紙版

発売日

2009年10月28日

ISBN

9784062158305

判型

四六

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

170ページ

電子版

発売日

2014年04月04日

JDCN

0621583000100011000K

著者紹介

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