怪訝山

怪訝山

ケゲンヤマ

文芸(単行本)

「遠慮はいらないよ。わけいって、わけいって、深く入っておいで」
土と草の匂い。横溢する生と性の渦。女という山へ、深く深く潜り込み、男は、安息の一瞬に沈み込む。
豊穣なる自然と性への回帰。都市生活者の再生を謳う物語。

――自分が充電されているような感覚があり、ああ、ありがたい、とイナモリは思った。携帯電話を他人の家で充電するような感覚だった。後ろめたさとありがたさと。自分のペニスを抜くことができなくなった。もうすこし、あともうすこし、からだに山が、満ちるまで。――<本文より>


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書誌情報

紙版

発売日

2010年04月28日

ISBN

9784062161640

判型

四六

価格

定価:1,870円(本体1,700円)

ページ数

226ページ

初出

怪訝山:『群像』2008年2月号、あふあふあふ:『群像』2006年5月号、木を取る人『群像』2004年4月号

著者紹介