悪と仮面のルール

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悪と仮面のルール

アクトカメンノルール

僕は顔を変え、身分を変え、ただ彼女の幸福を願う―。
巨大な陰謀の裏には、誰にも知られることのない、ひとつの小さな物語があった。

父から「悪の欠片」として育てられることになった僕は、「邪」の家系を絶つため父の殺害を決意する。それは、すべて屋敷に引き取られた養女、香織のためだった。
十数年後、僕は自分の存在を消滅させるため顔を変え、他人の身分を手に入れ、人生の傍観者として生きる。そして、居場所が分からなくなっていた香織の調査を探偵に依頼する。街ではテログループ「JL」が爆発騒ぎを起こし、政治家を狙った連続殺人事件に発展。僕の周りには刑事がうろつき始める。香織にはまるで過去からの繰り返しのように、巨大な悪の影がつきまとっていた。
相次ぐテロ、不可解な殺人事件が続く中で、僕は運命にあがなう存在として彼女のために行動を起こす。そこには、「邪」の家系の本質ともいえる絶対的な男の存在があった。

刑事、探偵、テログループ、邪の家系……世界の悪を超えようとする青年の疾走を描く。芥川賞作家が挑む渾身の書き下ろしサスペンス長編。新たなる、決定的代表作。


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書誌情報

紙版

発売日

2010年06月30日

ISBN

9784062163705

判型

四六

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

362ページ

著者紹介

著: 中村 文則(ナカムラ フミノリ)

(なかむら・ふみのり) 1977年愛知県生まれ。福島大学行政社会学部応用社会学科卒業。小説家。2002年、『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。2004年、『遮光』で野間文芸新人賞、2005年、『土の中の子供』で芥川賞、2010年、『掏摸』で大江健三郎賞を受賞した。その他の著書に『悪意の手記』『最後の命』『何もかも憂鬱な夜に』『世界の果て』がある。

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