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少年殺人者考
ショウネンサツジンシャコウ
- 著: 井口 時男

少年たちは、少年ゆえに、罪を犯した。少年たちは、なぜ人を殺したのか? 李珍宇、永山則夫、酒鬼薔薇聖斗、光市母子殺害事件犯・・・。戦後史に残る少年殺人事件、彼らの残した言葉に迫る傑作論考!
少年たちは、少年ゆえに、罪を犯した。
少年たちは、なぜ人を殺したのか?
李珍宇、永山則夫、酒鬼薔薇聖斗、光市母子殺害事件犯・・・。戦後史に残る少年殺人事件、彼らの残した言葉に迫る傑作論考!
本書のテーマは殺伐たるものだ。しかし、私は犯罪や殺人といった事件そのものに格別強い関心があるわけではない。私の関心を惹くのは、事件そのものというよりも、むしろ、事件を起こした少年たちの「表現」、とりわけ彼らの言葉である。(中略)
彼らの言葉は、たいていは、事件の重大性に比してあまりに幼稚で凡庸だったり、妄想めいて意味不明だったりする。けれども、時折、鋭く尖った一句が私の眼を撃つことがある。そこには、拳銃や刃物によって噴出させるしかなかった彼らの閉ざされた心が、その秘密の内奥を露頭させている。私は、彼らの言葉を手がかりに、彼らの隠された内奥のドラマを読み取ろうと試みたのである。――<「はじめに」より>
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目次
はじめに
一 李珍宇の「罪と罰」──小松川女高生殺人事件
1 犯罪と文学
2 「内面」、この非情なるもの
3 「告白」と「真実」、または自白と冤罪
4 「異邦人」または「怪物」について
二 永山則夫と小説の力──「連続射殺魔」事件
1 永山則夫が『罪と罰』を読み了えた日
2 言葉が壊れるとき
3 永山則夫が李珍宇と出会った日
4 小説の力
三 「成長の物語」の終焉──女子高生コンクリート詰め殺人事件
四 宮ざき勤のポストモダン、または「主体」からの逃走──連続幼女誘拐殺人事件
1 「今田勇子」の逆接する他
書誌情報
紙版
発売日
2011年04月28日
ISBN
9784062169318
判型
四六変型
価格
定価:3,080円(本体2,800円)
ページ数
354ページ
電子版
発売日
2014年03月20日
JDCN
0621693100100011000R
初出
『ふぉとん』2006年第3号~2009年第16号(第8号を除く)