秋田さんの卵

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電子あり

秋田さんの卵

アキタサンノタマゴ

文芸(単行本)

K病院・内科病棟の十号室。謎の血尿で入院中、しかしそれ以外に取り立てて不健康なところのない木戸俊二は、同じようにヒマを持て余している内科病棟の患者たちと、他愛も無い世間話をして過ごしていた。そんな彼らの専らの話題と言えば、いまはもう廃止された“付添婦”の<秋田さん(本名不明)>のこと……。生と死が通り過ぎていく場所の、刹那的な日常を軽妙に綴った表題作ほか、幻の傑作「ボギー、愛しているか」を併録。


生と死が通り過ぎる場所での、刹那的な情景がじわりと泌み入る物語

「心って、冷えるときに、まわりのものも一緒に吸い込むんだ。悲しいことのほうが、よくしみるでしょうに――」(by秋田さん)
K病院・内科病棟。日常というレールから外れ、暇を持て余す入院患者たち。そんな彼らのもっぱらの話題と言えば、ちょっぴり謎めいた熟女、今はもうない<付添婦>の秋田さんのこと……。

K病院のある病室に出入りする、健康的でどこか色っぽい熟女、<付添婦>の秋田さん(仮名)。謎の血尿で入院中の木戸俊二は、同室の仲間と、そんな彼女を巡る他愛もない噂話をするのが唯一の娯楽。しかし、実は俊二には、秋田さんとのとあるエピソードが、行き場をなくした記憶としてさまよっていたのだった――。そんな折、俊二は秋田さんから意外な用件を頼まれることになって……。

表題作ほか、旧友の遺した金で哀しみを買う旅に出る『ボギー、愛しているか』併録


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目次

ボギー、愛しているか
秋田さんの卵

書誌情報

紙版

発売日

2012年03月10日

ISBN

9784062174268

判型

四六

価格

定価:1,540円(本体1,400円)

ページ数

194ページ

電子版

発売日

2012年04月13日

JDCN

0621742600100011000R

初出

収録作品参照

収録作品

  • 作品名

    ボギー、愛しているか

    初出

    『群像』2005年12月号

  • 作品名

    秋田さんの卵

    初出

    『群像』2010年3,4月号

著者紹介

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