共に在りて 陸前高田・正徳寺、避難所となった我が家の140日

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共に在りて 陸前高田・正徳寺、避難所となった我が家の140日

トモニアリテリクゼンタカタショウトクジヒナンジョトナッタワガヤノヒャクヨンジュウニチ

東日本大震災の大津波は著者の生家・陸前高田の高台にある正徳寺の真下にまで及んだ。その夜から寺に避難した人は最大で150名を数え、庫裏での共同生活が始まった。住職で市役所職員の実弟と坊守の義妹、地域のリーダー、たじろぎつつも支援に立ち上がった全国の僧侶たちの活動を追った、心揺さぶるノンフィクション。


愛別離苦の現場で人々の声を聴く。住職で市役所職員の実弟と坊守の義妹、地域のリーダー、僧侶たちの活動を追うノンフィクション。

著者の生家は陸前高田市の真宗大谷派・正徳寺。陸前高田市役所職員でもある実弟が若い住職を務める。東日本大震災の津波で陸前高田市は壊滅的な被害を受けたが、高台にある正徳寺は幸い、墓地のちょうど真下で津波が止まり被害を免れた。正徳寺の庫裏は広く、また台所やトイレなどの設備に余力があったため、寺に避難した人は最大で150名を数え、庫裏での共同生活が始まった。その日から、命からがら難を逃れた実弟と坊守を務める義妹の苦闘と弔いの日常が始まった。著者もひんぱんに救援に入り、地域コミュニティが崩壊し、その再生にもがく人々の様子を目の当たりにする。また、仏教のネットワークが機能し、さまざまな僧侶が正徳寺を訪れる。たじろぎつつも支援に立ち上がった僧侶たち、地域のリーダーたち、そして寺を守る弟夫妻の活動を追う、心揺さぶられるノンフィクション。


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目次

序 章 波の夢
第一章 生きていてください
一 東京
募る恐怖
感情の起伏が減っていく
ツイッターの中で支え合う
二 陸前高田
鈴木勇吾さん
青ざめた子どもたち
無言の出迎え
三 避難所となった我が家
炊き出し大変
涙が出てこない
第二章 大災害と死
一 避難所のルール
元気な女性たち
卒業式
個人の要望はあと
二 白骨の御文
身元不明のまま東京で火葬
死に囲まれる
合同葬儀
三 さまざまな支援
渡辺謙夫妻来訪
支援は誰のためのものか
うつ症状四つ
解散式
第三章 仏教者にできること
一 慈恩寺
分断された広田半島
いつ葬式を出せば
二 岸野亮哉さん
歓声
一日で東京を往復
地域にとどまる僧侶たち
三 野村俊明さん
泣かないでほしい
自分が僧侶でよかった
終 章 その後

書誌情報

紙版

発売日

2012年03月09日

ISBN

9784062175791

判型

四六

価格

定価:1,540円(本体1,400円)

ページ数

218ページ

電子版

発売日

2012年04月27日

JDCN

0621757900100011000J

著者紹介

著: 千葉 望(チバ ノゾミ)

ちば・のぞみ フリーライター。1957年岩手県生まれ。真宗大谷派の寺の子として育つ。早稲田大学第一文学部日本文学専修卒。佛教大学大学院修了(仏教文化専攻)。日本の伝統文化やクラシック音楽、現代美術などの世界で活躍する人々を追いかけるほか、「陰暦」に代表される自然と人との調和に興味を持った発言も続けている。著書に『実践する! 仏教』『古いものに恋をして。 骨董屋の女主人たち』『古いものに恋をして。2 「好き」を生きる女性たち』『陰暦暮らし』『世界から感謝の手紙が届く会社 中村ブレイスの挑戦』などがある。

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