明治二十一年六月三日─鴎外「ベルリン写真」の謎を解く

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明治二十一年六月三日─鴎外「ベルリン写真」の謎を解く

メイジニジュウイチネンロクガツミッカオウガイベルリンシャシンノナゾヲトク

ここに一枚の集合写真があります。明治21年(1888)6月3日、ベルリンのフリードリッヒ写真館にて撮られたもの。陸軍省医務局長の石黒忠悳が欧州視察の途次、ドイツに立ち寄ったのを機にしての記念撮影でした。写っているのは森鴎外を含む19人、そのほとんどが日本人医学留学生です。彼らはその後、帰国してそれぞれの分野で大きな業績を挙げますが、全員が一堂に会することは二度とありませんでした。その意味でこの写真は近代日本医学史上の「奇跡の一瞬」をとらえたものと言えましょう。しかし、驚くべきことに、ここに写っているのがいかなる者たちだったのか、最近までほとんどわかっていなかったのです。本書は、この一枚の写真に写っているそれぞれの男たちとその周辺、鴎外との関係を追い、近代日本医学のあけぼのを描きます。


ⒸMitsuo Yamazaki

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書誌情報

紙版

発売日

2012年07月10日

ISBN

9784062177191

判型

四六

価格

定価:2,420円(本体2,200円)

ページ数

330ページ

電子版

発売日

2022年07月29日

JDCN

06A0000000000495298I

著者紹介

著: 山崎 光夫(ヤマザキ ミツオ)

山崎光夫(やまざき・みつお) 1947年福井市生まれ。作家。早稲田大学教育学部卒。テレビ番組の構成、雑誌記者などを経て、1985年「安楽処方箋」で小説現代新人賞を受賞、同年短編「サイレント・サウスポー」で直木賞候補、1986年「詐病」「ジェンナーの遺言」で連続して直木賞候補となる。1998年『藪の中の家──芥川自死の謎を解く』で新田次郎文学賞受賞。医学を題材にした作品が多い。森鴎外記念館評議員を務める。 著書に『日本アレルギー倶楽部』『メディカル人事室』(ともに講談社)、『東京検死官──三千の変死体と語った男』(講談社文庫)、『サムライの国』(文藝春秋)、『日本の名薬』(文春文庫)、『東京ビー玉くらぶ』(角川書店)、『精神外科医』(中央公論社)、『ドンネルの男──北里柴三郎』(東洋経済新報社、のち『北里柴三郎──雷と呼ばれた男』と解題して中公文庫)、『健康の天才たち』『戦国武将の養生訓』(ともに新潮新書)『老いてますます楽し──貝原益軒の極意』(新潮選書)などがある。

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