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データサイエンティストが創る未来 これからの医療・農業・産業・経営・マーケティング
データサイエンティストガツクルミライコレカラノイリョウノウギョウサンギョウケイエイマーケティング
ビッグデータ革命の陰には、「データサイエンティスト」いう名の開拓者たちの存在と組織の真剣な取り組みがある。本書は、そのようなデータサイエンティストと企業の物語、たとえばJ・ハマーバッカーとIBMを中心に展開する。ビッグデータは強力な手段になりうるが、限界も抱えている。データサイエンステクノロジーは、今まさに改善されつつあり、出番を待っている。データ資本主義時代の到来を活写した一冊。
「インターネット時代」を経て、「ビッグデータ時代」が到来しようとしている。ビットで構成される世界から、分子で構成される物理世界の時代になろうとしているのだ。
ビッグデータを支える情報源──ウェブページ、ブラウザの閲覧履歴、センサーからの信号、ソーシャルメディア、スマートフォンから得られるGPSデータ、ゲノム情報、監視カメラの録画など、押し寄せるデータの波は倍増する勢いで高まっている。
ビッグデータでは、実際に使用でき、意味のあるデータであることが重要である。本書で紹介する事例はどれも大量のデータを活用しているが、コンピュータの処理能力、記憶容量、メモリー容量の向上によってデータまわりの問題が解消されていくなか、とくに目覚ましい進展を見せているのがソフトウェアだ。
ビッグデータというテクノロジーは、デジタル時代の望遠鏡にも顕微鏡にもなる。それまで決して見えなかったものを、見たり計測したりできるようになるのだ。最新の望遠鏡が最新の天文学を生み、最新の顕微鏡が最新の生物学を生んだ。ビッグデータにも、同様の成果が期待される。インターネットはコミュニケーションの経済学を変貌させ、インターネット上にウェブが構築され、イノベーションや新たなビジネスを生むプラットフォームになった。同様にビッグデータも、「発見」の経済学を変貌させようとしている。ビッグデータから見えてくる物語は、豊かで細やかだ。より多くのことをより早く学びとることができる。「見えないものの可視化」である。
ビッグデータ革命の陰には、「データサイエンティスト」いう名の開拓者たちの存在と組織の真剣な取り組みがある。本書は、そのような開拓者と企業の物語、たとえばJ・ハマーバッカーとIBMを中心に展開する。ビッグデータは強力な手段になりうるが、限界も抱えている。データサイエンステクノロジーは、今まさに改善されつつあり、出番を待っている。
本書は、ニューヨーク・タイムズ紙でテクノロジー関連の取材を10年以上続けてきた著者が、経済全体を見渡しながら、最前線で繰り広げられるプロジェクトやアイデアを調査し、「データ・イズム」が生む技術的・人間的課題に対峙する科学者、起業家、企業幹部へのインタビューを通して、より広く深く見つめ直している。
データ資本主義時代の到来を活写した一冊。
- 前巻
- 次巻
目次
1章 ビッグデータ時代――「大きさ」よりも重要なこと
2章 やればできる子
3章 社運を賭けて
4章 観察と洞察
5章 データサイエンティストの誕生
6章 データは語る――相関と文脈
7章 物理的世界に進出するデータ
8章 行動とデータの陰と陽
9章 先の長いゲーム
10章 ビッグデータとプライバシー
11章 未来――データ資本主義
書誌情報
紙版
発売日
2016年05月25日
ISBN
9784062179300
判型
四六
価格
定価:2,200円(本体2,000円)
ページ数
290ページ
著者紹介
『ニューヨークタイムズ』紙の記者。20年以上にわたって、ビジネス、経済、テクノロジーに関する記事を執筆している。海外特派員や編集者として活躍。『ニューヨークタイムズ』誌や『アトランティック』誌などの雑誌にも寄稿している。2013年には、ピューリッツァー賞の報道部門(解説報道)を受賞した『ニューヨークタイムズ』のメンバーに名を連ねた。『Go To: The Story of the Math Majors』などの著書がある。
翻訳家。京都大学理学部(化学)卒。同大学院理学研究科(分子生物学)修了。IT企業勤務を経て、2008年1月よりフリーランスとして翻訳業に従事。主な訳書に、『ビッグクエスチョンズ 物理』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『サミュエル・スマイルズの名著「自助論の教え」』(PHP研究所)などがある。