
「病は気から」を科学する
ヤマイハキカラヲカガクスル
- 著: ジョー・マーチャント ,
- 訳: 服部 由美
科学も心も「万能」ではない。現代医学に疑いを持つ人も、スピリチュアルが怪しいと思う人も必読のノンフィクション!ホメオパシーには科学的根拠は一切なく、「おしゃれなボトルに入った水や砂糖」だ。だが、最先端科学の現場では「信じる心」を、医療に取り入れる研究が進んでいる。過敏性腸症候群、がん、自己免疫疾患、分娩まで、臨床現場における「心の役割」を、科学ジャーナリストが緻密な取材をもとに検証。
イギリス気鋭の科学ジャーナリストによる知的興奮のノンフィクション!
スピリチュアルブーム、自然志向で「現代医学VS.自然療法」という対立が生まれた。
「代替療法はまったく根拠のないエセ科学だ」と断じ、切り捨てる科学者。
「心の力ですべての病は直る」と極論を述べるヒーラーや、スピリチュアルをお金に変える商売人。
真実は、両者のはざまに存在した。
「心の力」を治療に取り入れている最先端科学の研究者と医療現場、患者に、綿密な取材を敢行。
がん、自己免疫系疾患、過敏性腸症候群、うつ、パーキンソン病、自閉症、慢性疲労症候群などの病気に、心がどのような役割を果たしているかを解き明かす。
*プラセボ効果を利用して鎮痛剤の使用量を抑える
*催眠術を利用して過敏性腸症候群の腸収縮を抑える
*味覚と臭覚を訓練し、免疫系疾患の治療に役立てる
*心の状態と生涯にわたる病気リスクの関係
*遺伝子の活性化など、心の状態が体の物理的構造に与える影響
エビデンスをもとに導き出された、「西洋医学=絶対」でもなく、「自然療法=インチキ」でもない「第三の真実」とは?
「病は気から」を科学すれば、思いや思考によって最先端医療の効果を最大化できる。
ページを繰る手が止まらない!知的興奮のノンフィクション。
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目次
第1章 偽薬――プラセボが効く理由
第2章 型破りな考え――効力こそすべて
第3章 パブロフの力――免疫系を手なずける方法
第4章 疲労との闘い――脳の「調教」
第5章 催眠術――消化管をイメージで整える
第6章 痛み――バーチャルリアルティと鎮痛剤
第7章 患者への話し方――気遣いと治癒
第8章 ストレス――格差と脳の配線
第9章 マインドフルネス瞑想法――うつと慢性疾患
第10章 健康長寿――老化と社会的つながり
第11章 電気の刺激――神経で病気を治す
第12章 神を探して――ルルドの奇跡と科学
書誌情報
紙版
発売日
2016年04月13日
ISBN
9784062179379
判型
四六
価格
定価:3,300円(本体3,000円)
ページ数
392ページ
著者紹介
科学ジャーナリスト。生物学を学び、医療微生物学で博士号を取得。『ネイチャー』、『ニュー・サイエンティスト』などの一流科学誌で記者、編集者をつとめたのち、独立。『ガーディアン』や『エコノミスト』に寄稿。海洋考古学から遺伝子工学の未来まで、先端科学の専門家として執筆活動をおこなう。著書に『アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ』『ツタンカーメン 死後の奇妙な物語』(いずれも文藝春秋)がある。ロンドン在住。
翻訳家。訳書に、ジェイソン・パジェット『31歳で天才になった男』マシュー・ロゲリン『僕がパパに育つまで』(いずれも講談社)、キャロライン・メイス『思いやりのチャクラ』(サンマーク出版)、タンマヤ・ホナヴォグト『プロフェッショナルレイキ』、マリリン・グレンビル『検証 骨粗鬆症にならない体質』(ともにガイアブックス)などがある。