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七緒のために
ナナオノタメニ
- 著: 島本 理生

東京の中学校へ編入してきた私は、本好きの少女・七緒と出会う。予測のつかない七緒の言動に翻弄されながらも、きらめくような日々をともに過ごす二人。しかし次第に七緒の言葉にウソが混じっているらしいことに気づき始めた私は、共有した真実と嘘の間で揺れ動く。やがてある事件を経てふたりは疎遠になっていく・・・。純粋さゆえに傷つけあう少女同士の関係、友情の輝きと痛みが詩情あふれる筆致で描かれた珠玉作。
主人公の私=雪子は中学2年生。以前通っていた女子校に馴染めず、東京の中学校へ編入してきた。そのクラスで出会った本好きの少女・七緒に誘われて美術部に入り、予測のつかない彼女の言動に翻弄されながらも、きらめくような日々をともに過ごす。しかし次第に七緒がクラスから浮いていること、その言葉にウソが混じっているらしいことに気づき始める。美術教師の突然の死やカウンセラーとの関わりの中で、ふたりが共有した真実と嘘の間で揺れ動く私。やがてある事件を経てふたりは疎遠になっていく・・・。
純粋さゆえに傷つけあう少女同士の関係、友情の輝きと痛みが詩情あふれる筆致で描かれた珠玉作。
書誌情報
紙版
発売日
2012年11月01日
ISBN
9784062179829
判型
四六
価格
定価:1,430円(本体1,300円)
ページ数
210ページ
初出
『群像』2010年1月号
著者紹介
1983年東京生まれ。東京都立新宿山吹高校卒、立教大学中退。98年、15歳の時に「ヨル」が「鳩よ!」掌編小説コンクールに当選。2001年、「シルエット」で群像新人文学賞優秀作受賞。03年、「リトル・バイ・リトル」が芥川賞候補となり、同年、史上最年少の20歳で第25回野間文芸新人賞を受賞。04年「生まれる森」が芥川賞候補。05年、「ナラタージュ」が山本周五郎賞候補、「この小説がすごい!2006年版」(宝島社)第1位。06年、「大きな熊が来る前に、おやすみ。」が芥川賞候補、07年、「Birthday」が川端康成文学賞候補、11年、「編んだスタンド・メイビー」で直木三十五賞候補となる。著書に『シルエット』『リトル・バイ・リトル』『生まれる森』『ナラタージュ』『大きな熊が来る前に、おやすみ。』『あなたの呼吸が止まるまで』『クローバー』『波打ち際の蛍』『君が降る日』『真綿荘の住人たち』『あられもない祈り』『アンダスタンド・メイビー』など。いま最も期待される若手女性作家のひとりである。