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ああ父よ ああ母よ
アアチチヨアアハハヨ
- 著: 加賀 乙彦

家族の過酷な運命。日中戦争から文化大革命を経て大きく変わる中国の50年をひとりの老人が語る意欲作。
一九四九年に建国された中華人民共和国は、大国となるため、農村からの革命による経済発展をめざす。
家族のささやかな願いを破壊し尽くした、革命運動と階級闘争、粛清。
不遇の内に死んだ父、故郷を追われた老齢の母。
妻や子とも引き裂かれ、社会主義強国を築くために過酷な労働を強いられる。
独裁体制による政治の嵐が吹き荒れた絶望の時代に、幾たびも翻弄されながら生き抜いた、ひとりの人間の物語。
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書誌情報
紙版
発売日
2013年03月22日
ISBN
9784062181112
判型
四六
価格
定価:2,090円(本体1,900円)
ページ数
370ページ
著者紹介
1929年東京生まれ。東京大学医学部卒業後、精神科医として勤務のかたわら、小説の執筆を始める。1967年に刊行し『フランドルの冬』が翌年、芸術選奨新人賞を受賞。’73年に『帰らざる夏』で谷崎潤一郎賞を、’79年には『宣告』で日本文学大賞、’86年に『湿原』で大佛次郎賞、’98年に自伝的長編『永遠の都』で芸術選奨文部大臣賞をそれぞれ受賞した。他に『高山右近』『ザビエルとその弟子』など著書多数。『永遠の都』の続編にあたる自伝的大河小説「雲の都」が、本年、第四部『幸福の森』、第五部『鎮魂の海』を刊行、ついに完結した。