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ある殺人者の回想
アルサツジンシャノカイソウ
- 著: 勝目 梓

昭和5年に、九州の宇根島で生まれ、炭鉱夫をしていた緒方一義。戦後、隣家に募集鉱夫として越してきた浦川の妻、久子に憧れ、想いをいだく。だが浦川が緒方の母と無理やり関係を持ったことで、緒方は浦川を殺してしまう。そして刑務所から久子にお詫びの手紙を出した緒方の元に「緒方さんをうらんではいません」という返事が。緒方の久子への想いはますます深まっていく。激動の昭和を背景に「やるせない男女」を描いた渾身の作!
生きているかぎりずっと
あの人のことを想っていたかった――
「許されない二人」が想いを通わせたのは51年にわたる「年に一度」の往復書簡。
激動の昭和と、時代に翻弄された「やるせない男女」を描いた、
勝目梓の集大成ともいえる渾身作!
76歳で二度目の殺人を犯した緒方一義は刑務所で自らの過去を振り返る――。九州の伊万里湾に浮かぶ島で生まれ、炭坑夫をしていた緒方は、昭和22年、隣家に募集坑夫として越してきた浦川の妻、久子に憧れ、ほのかな想いをいだく。だが浦川が緒方の母と無理やり関係を持ったことから、緒方は浦川を殺してしまう。そして刑務所から久子にお詫びの手紙を出した緒方の元に届いた「あたしは緒方さんをうらんではいません」という返事。出所して52年後、久子への変わらぬ想いが、緒方を再び罪へと導く……。
書誌情報
紙版
発売日
2013年03月28日
ISBN
9784062182386
判型
四六
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
ページ数
274ページ
初出
『スペッキヲ』2010年36号~2012年41号に掲載されたものに、書籍化にあたり加筆修正をしたもの。
著者紹介
1932年、東京生まれ。様々な職に就きながら「文藝首都」の同人となり小説を発表。1974年に「寝台の方舟」で小説現代新人賞を受賞。以降、幅広いジャンルの小説を発表し続け、著作は300冊を超える。2006年に発表した、自らの小説家としての半生を振り返った自伝的小説『小説家』は各誌紙で絶賛される。近著に『カレンダーにない日』『叩かれる父』『死支度』などがある。