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声をきかせて
コエヲキカセテ
- 著: 樫崎 茜
中学2年生の砂凪(さなぎ)の家は、古い門前町でお香をあつかう「香老舗みつしま堂」を営んでいる。しかし砂凪は、香りをうまく“聞く”ことができない。
2学期のはじめ、砂凪が小学生のときによく遊んでいた同級生の悠介が、突然学校に来なくなってしまった。
一方、同じく遊び友だちだった蒼は、当時“幽霊屋敷”に仲良し4人組で埋めたタイムカプセルを掘り返そうとして、警察沙汰になってしまう。どうしてもタイムカプセルを取り戻したい蒼は、再度、砂凪たちと幽霊屋敷に忍びこむが、今度はそこで暮らす“死神じじぃ”に見つかってしまう。死神じじぃは、タイムカプセルをわたす代わりに、砂凪たちにある取引を持ちかけるが――。
悠久の時間と偶然の産物である香木。遠い昔を今に伝えてくれる化石。気の遠くなるような交配の末にうまれる金魚。それらのモチーフに、それぞれの思いをかかえて今を生きる中学生の4人と、冤罪で人生を傷つけられた老人との出会いが重なり、思いがけないハーモニーを奏でていく。
- 前巻
- 次巻
書誌情報
紙版
発売日
2013年07月02日
ISBN
9784062183260
判型
四六
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
ページ数
266ページ
著者紹介
1980年、長野県生まれ。2006年、講談社児童文学新人賞佳作受賞。デビュー作『ボクシング・デイ』にて、椋鳩十児童文学賞受賞。『満月のさじかげん』にて、日本児童文学者協会新人賞受賞。ほかの作品に『ヨルの神さま』『ぼくたちの骨』がある。また、『YA! アンソロジー 初恋リアル』に「ローリングストーン」がおさめられている。