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埠頭三角暗闇市場
フトウサンカククラヤミイチバ
- 著: 椎名 誠

「大破壊(ハルマゲドン)」後の世界を描いたSF長編小説。
地震で傾いた巨大ビルと大津波で打ち上げられた巨大豪華客船が、埠頭を挟んで上部を支え合うようにして出来た「埠頭三角暗闇市場」を舞台に物語は始まる。
「大破壊」後の東京では、異常気象と薬品による汚染で奇病が蔓延していた。生物は異態進化をとげ、見たこともない生き物が跋扈していた。
「危ない医師」北山は、倒れかけたビルの一室で生体融合手術を行っている。そのアングラクリニックう訪れるのは、ヤクザ、娼婦など怪しい客ばかり。首都警察の刑事・古島は聞き込みのため北山を訪ねた。手術した娼婦が、連続殺人事件の容疑者と思われるからだ。
一方、東京の西部では遺骨の盗難が頻発していた。捜査に当たった西部警察のビランジャー隊の翼隊長は不審な建造物を発見する。
国際情勢も大きく動く。中国・韓国連合がロシアを抱き込み、台頭するインド勢力とロシアの連携を絶とうとする。ロシアの特命全権大使ポトノフの不慮の死は何者の仕業か。
そして、巨大な足だけの未確認歩行物体「Q4」が現れ、混沌の時代は急展開をみせる。
ちなみに本作は、東日本大震災の前に書かれたものであるる。
書誌情報
紙版
発売日
2014年07月01日
ISBN
9784062185127
判型
四六
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
ページ数
330ページ
初出
『小説現代』2010年3月号、5月号、9月号、11月号、2011年1月号、3月号、5月号、7月号、9月号、11月号、2012年3月号、5月号、7月号
著者紹介
著: 椎名 誠
1944年生まれ。作家。写真家、映画監督の顔も持ち、幅広く活躍する。'89年に『犬の系譜』で吉川英治文学新人賞、'90年に『アド・バード』で日本SF大賞を受賞した。著書に、『岳物語』(正・続)、『大きな約束』(正・続)、『海浜棒球始末記』、『にっぽん・海風魚旅』(1~5)、『風のまつり』、『モヤシ』、『ナマコ』、『そらをみてないています』、『新宿遊牧民』、『五つの旅の物語』、『水惑星の旅』など多数。