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「ポスト戦後」を生きる─繁栄のその先に
ポストセンゴヲイキルハンエイノソノサキニ
苦しく不透明な生活実感と偏狭なナショナリズム。ふたつが容易に結びつく空気が世を覆いつつある。それをどう回避し、乗り越えるのか――もはや「一億総中流」の時代は去った。そして、広がる格差とみえない構造への憎しみ。これが「戦後」の理想の結果なのか? 生きづらさの実感を、東アジア世界と歴史の中に位置づける。
※北海道新聞社は、2009年から毎年さまざまなゲストを招いて「≪道新フォーラム≫現代への視点~歴史から学び、伝えるもの」を札幌で開催、基調講演と討論、参加した若い人たちとの質疑を通して昭和史の教訓を今後にどう生かしていくかを考えてきました。今回は2013年11月4日に保阪正康、姜尚中、雨宮処凛の三氏を招いて札幌の道新ホールでおこなわれたフォーラムの詳報です。
≪道新フォーラム≫活字化 第5弾
ⒸHOSAKA MASAYASU/Kang Sang-jung/Karin Amamiya
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書誌情報
紙版
発売日
2014年04月16日
ISBN
9784062188524
判型
四六
価格
定価:1,430円(本体1,300円)
ページ数
178ページ
電子版
発売日
2023年07月14日
JDCN
06A0000000000648861I
初出
2013年11月4日に札幌市中央区の道新ホールで開かれた道新フォーラム「現代への視点2013~歴史から学び、伝えるもの」(北海道新聞社主催)を書籍化したもの。当日の講演をベースに大幅な加筆、削除訂正をほどこし、講談社において編集した。
著者紹介
保阪正康(ほさか・まさやす) 1939年、札幌市生まれ。同志社大学文学部卒業。ノンフィクション作家。「昭和史を語り継ぐ会」主宰。昭和史の実証的研究を志し、延べ4000人もの関係者たちに取材してその肉声を記録してきた。個人誌『昭和史講座』を中心とする一連の研究で、第52回菊池寛賞を受賞。『昭和史七つの謎』(講談社文庫)、『東條英機と天皇の時代(上下)』(文春文庫)、『昭和陸軍の研究(上下)』(朝日文庫)など著書多数。
姜尚中 (カン・サンジュン/Kang Sang-jung) 1950年、熊本県熊本市生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。旧西ドイツ、エアランゲン大学に留学の後、国際基督教大学助教授・準教授などを経て、現在、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授。東京大学現代韓国研究センター長。専攻は政治学、政治思想史。テレビ・新聞・雑誌などで幅広く活躍。『オリエンタリズムの彼方へ―近代文化批判』『マックス・ウェーバーと近代』(ともに岩波現代文庫)、『母─オモニ』(集英社)、『悩む力』『続・悩む力』(いずれも集英社新書)、『在日』(講談社/集英社文庫)『在日 ふたつの「祖国」への思い』(講談社+α新書)など著書多数。
雨宮処凛(あまみや・かりん) 1975年、北海道生まれ。愛国パンクバンドボーカルなどを経て、2000年、自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版)を出版し、デビュー。以来、若者の「生きづらさ」についての著作を発表する一方、イラクや北朝鮮への渡航を重ねる。 2006年からは新自由主義のもと、不安定さを強いられる人々「プレカリアート」問題に取り組み、取材、執筆、運動中。メディアなどでも積極的に発言。2007年に出版した『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。「反貧困ネットワーク」副代表、 「週刊金曜日」編集委員、 「フリーター全般労働組合」組合員、「こわれ者の祭典」名誉会長、 2009年末より厚生労働省ナショナルミニマム研究会委員。