夜は終わらない

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受賞作

夜は終わらない

ヨルハオワラナイ

文芸(単行本)

婚約者が自殺したとの一報が入った。千住警察署で悲しみにくれる玲緒奈には、次に殺さなくてはならない別の婚約者がいた。セックスや結婚を餌に次々男を惑わし、財産を巻き上げ、証拠を残さず葬り去ることが日常の彼女には、不思議な癖があるのだった。あの世に送る前、男に話を語らせるのである。最期の気力を振り絞り話を続ける男たち……全体の物語のなかに短篇が入りくみ、海へと流れる大河として眺望できる大傑作。


婚約者が自殺したとの一報が入った玲緒奈。千住警察署で悲しみにくれる彼女には、次に殺さなくてはならない別の婚約者がいた。セックスや結婚を餌に次々男を惑わし、財産を巻き上げ、証拠を残さず葬り去るのが日常なのである。そんな玲緒奈には不思議な癖があるのだった。
「生きてる意味があることを証明しないと。ね? 私が夢中になれるようなお話をしてよ」
あの世に送る前、男に語らせるのだ。それは、生い立ちでも、創作した話でも構わない。面白いかどうか、で命の長さが決まっていく。最期の気力を振り絞り話を続ける男たち。鬼気迫るストーリーが展開され、物語のなかの登場人物がまた別の話を語り始めたり、時空を超えた設定のなかにリアルなものが紛れ込んだり……全体の物語のなかにさまざまな短篇が入りくみ、海へと流れる大河として眺望できる大傑作。


目次

 夜は終わらない
第一話 人面瘡
 夜は終わらない
第二話 カワイルカ
 夜は終わらない
第二話 カワイルカ(その二)
 夜は終わらない
第三話 聞いたら二度と戻れない物語
 夜は終わらない
第三話 聞いたら二度と戻れない物語(その二)
第四話 日常演劇
 夜は終わらない
第四話 日常演劇(その二)
 夜は終わらない
第四話 日常演劇(その三)
 夜は終わらない
第五話 ジン
 夜は終わらない
第四話 日常演劇(その四)
第六話 ジンナ
 夜は終わらない
第六話 ジンナ(その二)
 夜は終わらない
第四話 日常演劇(その五)
 夜は終わらない
第七話 ミロンガを探して
 夜は終わらない
第四話 日常演劇(その六)
第八話 アルフォンシーナと海
 夜は終わらない
第八話 アルフォンシーナと海(その二)
 夜は終わらない
第九話 フュージョン
第十話 ヒトカフェ
 夜は終わらない
第九話 フュージョン(その二)
第十一話 噛み癖
第十二話 悲しみのトリスタン
 夜は終わらない
第十二話 悲しみのトリスタン(その二)
第九話 フュージョン
第八話 アルフォンシーナと海
第四話 日常演劇
第三話 聞いたら二度と戻れない物語
 夜は終わらない

書誌情報

紙版

発売日

2014年05月23日

ISBN

9784062189668

判型

四六変型

価格

定価:2,035円(本体1,850円)

ページ数

530ページ

初出

『群像』2011年9月号~2013年2月号、5月号~10月号(単行本化にあたり大幅に加筆・修正)

著者紹介

著: 星野 智幸(ホシノ トモユキ)

1965年、アメリカ・ロサンゼルス市生まれ。88年、早稲田大学卒業。新聞社勤務後、メキシコに留学。97年、『最後の吐息』で第34回文藝賞を受賞しデビュー。2000年、『目覚めよと人魚は歌う』で第13回三島由紀夫賞、03年、『ファンタジスタ』で第25回野間文芸新人賞、10年、『俺俺』で第5回大江健三郎賞を受賞。他の著作に『毒身温泉』『ロンリー・ハーツ・キラー』『アルカロイド・ラヴァーズ』『在日ヲロシア人の悲劇』『虹とクロエの物語』『われら猫の子』『植物診断室』『無問道』『水族』などがある。

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