誉れの赤

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誉れの赤

ホマレノアカ

文芸(単行本)

 戦国最強の部隊――赤備え。戦場に朱の具足をまとった集団が現れただけで、敵兵は畏れ、逃げ惑い、敗れていった。その強さに憧れる地侍の成島勘五郎と、幼なじみの農民飯沼藤太は、武田信玄配下の赤備えに加わり、武功を立てる。武田家が織田・徳川連合軍に敗れた後、生き残った勘五郎は徳川に主家を変え、〈赤鬼〉井伊直政のもとで天下取りを目指す。〈赤〉の遺伝子を受け継いだ戦国最後の武士の生き様を描いた長編小説。


「赤備えは戦場の華なり。人に先んじて敵に当たり、比類なき手柄を上げ、そして……無事に生きて帰る者なり」

 戦国最強の部隊――赤備え。戦場で最も目立つ朱の具足をまとった集団が現れただけで、敵兵は畏れ、逃げ惑い、敗れていった。「天下取りの部隊」として諸国に轟いたその強さに憧れる甲斐の地侍の成島勘五郎と、幼なじみの農民飯沼藤太は、武田信玄配下の赤備えを率いる山縣隊に加わり、武功を立てる。武田家が鉄砲を主戦力とする織田・徳川連合軍に長篠の戦いで敗れた後、生き残った勘五郎は徳川に主家を変え、武田の赤備えを引き継いだ、〈赤鬼〉井伊直政のもとで天下取りを目指す。
 鉄砲の出現によって戦国が終わる時、一人の下級武士に何ができるのか。〈赤〉の遺伝子を受け継いだ最後の武士の生き様を描いた長編小説。


目次

第一部 友と見た空
 一 長篠
 二 朋友
 三 万千代
 四 主家
 五 新生
 六 赤鬼
 七 赤心
第二部 天下取り
 一 ふたり
 二 交差
 三 君臣
 四 変転
 五 赤の魂

書誌情報

紙版

発売日

2014年06月26日

ISBN

9784062189965

判型

四六変型

価格

定価:2,035円(本体1,850円)

ページ数

394ページ

著者紹介

著: 吉川 永青(ヨシカワ ナガハル)

吉川永青(よしかわ・ながはる)  1968年東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒業後、会社員として勤務のかたわら執筆を始め、2010年「我が糸は誰を操る」で第5回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞。同作は、『戯史三國志 我が糸は誰を操る』と改題し、2011年に刊行。三國志ファンのみならず、幅広い評価を得る。同年には第2弾『戯史三國志 我が槍は覇道の翼』を刊行、2012年、第33回吉川英治文学新人賞候補となり、大きな話題を呼ぶ。他に、シリーズ完結篇の『戯史三國志 我が土は何を育む』、『時限の幻』、『義仲これにあり』、『義経いづこにありや』がある。

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