蛇の道行

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蛇の道行

ジャノミチユキ

文芸(単行本)

なにがあっても、離れない。家族は失った。けれど、隣にはお前がいる。昭和24年、上野。戦争未亡人ばかりを集めたバー・山猫軒で、二人はひっそりと暮らしていた。バーを切り盛りする青柳きわと、住み込みで働く立平だ。生き抜くため、絡み合う蛇のように彼らは時代を駆け抜けた。戦後復興期を舞台に、親のない少年と若き未亡人の名付け得ぬ関係を描いた加藤元の新たなる傑作!


昭和24年、上野。戦争未亡人ばかりを集めたバー・山猫軒に、ひっそりと暮らす若い女性と少年がいた。バーを切り盛りする青柳きわと、住み込みで働く立平だ。

立平は満州で生まれた。幼い頃に母を亡くし、無口な父とばあやと過ごす平穏な日々は、ある夏の日に突然終わりを告げた。敗戦で父も喪った立平は、父の恋人と一緒にまだ見ぬ祖国を目指す船に乗った――。

きわは日本で生き残った。戦地から負傷して戻った夫が看病の甲斐なく亡くなり、大きな屋敷に一人きりになったきわの元に、おかしな母子が転がり込んできた。母親は息子を置いて姿を消してしまう――。

なにがあっても、離れない。
家族は失った。けれど、隣にはお前がいる。

生き抜くため、絡み合う蛇のように彼らは時代を駆け抜けた。戦後復興期を舞台に、親のない少年と若き未亡人の名付け得ぬ関係を描いた加藤元の新たなる傑作!


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  • 次巻

目次

第一章「殺生」
第二章「偸盗」
第三章「邪淫」
第四章「貪欲」
第五章「邪見」
第六章「瞋恚」
第七章「十悪」

書誌情報

紙版

発売日

2016年03月30日

ISBN

9784062199261

判型

四六

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

312ページ

電子版

発売日

2016年04月22日

JDCN

0621992600100011000J

著者紹介

著: 加藤 元(カトウ ゲン)

加藤元(かとう・げん) 1973年、神奈川県生まれ。日本大学芸術学部中退。2009年『山姫抄』で第4回小説現代長編新人賞を受賞してデビュー。2012年『泣きながら、呼んだ人』がさわや書店のオススメ本年間第1位に選ばれる。著書に『嫁の遺言』『私がいないクリスマス』『キネマの華(ヒロイン)』『四月一日亭ものがたり』『十号室』などがある。

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