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失踪者
シッソウシャ
- 著: 下村 敦史

2016年、ペルー。山岳カメラマンの真山はシウラ・グランデ峰を登っていた。十年前、クレバスに置き去りにしてしまった親友・樋口を迎えにきたのだ。しかし、遺体を前に驚愕する。極寒のクレバスに閉じ込められた遺体は、歳を取ることなく凍りついているはずだが、樋口は明らかに老いていたのだ。樋口、お前は一体何をしていたんだ?親友が過ごした謎に包まれし“歳月”。真相にたどり着いたとき、あなたはきっと胸を熱くする。
ありえない、そんなはずはない。
10年前、あいつは死んだはずだった――
極寒の氷雪峰に置き去りにされ、
“時”とともに氷漬けになったはずの友。
しかし、対面した遺体は明らかに歳をとっていた……
2016年、ペルーはブランカ山群。山岳カメラマンの真山道弘は単身シウラ・グランデ峰を登っていた。10年前、クレバスに置き去りにしてしまった親友・樋口友一を迎えにきたのだ。ずいぶん待たせて悪かったな――クレバスの底に降り立ち、樋口を見つけ出した真山だったが、遺体の顔を覆う氷雪を落として驚愕する。極寒のクレバスに閉じ込められた遺体は、歳を取ることなく凍りついてしまうはず。しかし、樋口の顔は明らかに10年前より老いていたのだ。なぜだ、ありえない。まさか、樋口はあの時生還していたのか?ならばなぜ連絡をよこさなかった?そしてなぜ同じ場所で命を落としている?樋口、お前は一体何をしていたんだ?
親友が過ごした、謎に包まれし“歳月”。
真相にたどり着いたとき、あなたはきっと胸を熱くする。
注目の乱歩賞作家が仕掛ける、哀しき罪と罰。
『生還者』につぐ感涙必至の山岳ミステリー!
書誌情報
紙版
発売日
2016年09月14日
ISBN
9784062202572
判型
四六変型
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
ページ数
306ページ
著者紹介
1981年京都府生まれ。2006年より江戸川乱歩賞に毎年応募し、2014年に『闇に香る嘘』で第60回江戸川乱歩賞を受賞。同作は「週刊文春ミステリーベスト10 2014年」国内編2位、「このミステリーがすごい! 2015年版」国内編(宝島社)で3位と高い評価を受ける。その後も『叛徒』、『生還者』(ともに講談社)を発表。『生還者』は第69回日本推理作家協会賞の長編及び連作短編集部門の候補作となる。他の作品に『真実の檻』(KADOKAWA)、『難民調査官』(光文社)がある。