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本性
ホンショウ
- 著: 黒木 渚

えせ占い師のサイコは、無機質なモノしか愛せないエリの家で居候する。ある日サイコが帰宅すると、エリは恋人の”地蔵”と別れると泣いていて(「超不自然主義」)。その日暮らしの岩崎は、パチンコで大勝ちする。その様子を見ていた風俗嬢・アッコが声をかける。他、書き下ろし短篇「東京回遊」を収録。
「超不自然主義」…「あなた、一年後に死ぬわよ」と占い師に言われてから二年。サイコはまだ生きている。その日がきっかけとなり、何も分からないまま占い師の仕事をしているサイコ。そして友人のエリは無機質のモノしか愛せない女。今は旦那と別れるといってうちひしがれている。その旦那とは、人間ではなく地蔵なのだ。こじらせてしまっている二人の女の行き着く先はどこなのか。
「ぱんぱかぱーんとぴーひゃらら」…その日暮らしをしている岩崎はある日、パチンコ大勝ちした。そんな岩崎に「お祝いに抜いてあげようか」と声をかけてきた女がいた。女は風俗嬢のアッコ。二人は一緒に住むようになるが、まともに愛し合っていられたのは束の間。二人の愛は奈落の底へ転げ落ちていく。
「東京回遊」…夫との生活に不満を持つ恵は、出会い系サイトで知り合った男に会うために東京へ向かった。だが、男とは思ったようにはいかず、飛び乗ったタクシーであてのない放浪をはじめる。結婚前女優になることを夢見ていた恵は、気のいい運転手との会話のなかだけで大女優になった自分を演じる。
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目次
超不自然主義
東京回遊
ぱんぱかぱーんとぴーひゃらら
書誌情報
紙版
発売日
2017年04月19日
ISBN
9784062205337
判型
四六変型
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
ページ数
226ページ
初出
「超不自然主義」…「小説現代」2016年9月号、「東京回遊」…書き下ろし、「ぱんぱかぱーんとぴーひゃらら」…「小説現代」2017年2月号。
収録作品
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作品名初出
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作品名
超不自然主義
初出
『小説現代』2016年9月号
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作品名
東京回遊
初出
書き下ろし
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作品名
ぱんぱかぱーんとぴーひゃらら
初出
『小説現代』2017年2月号
著者紹介
1986年宮崎県日向市生まれ。福岡大学大学院人文学科卒業。大学時代軽音研究会でギターをはじめ、ライブハウスで弾き語りをスタートする。2010年、自らの名前を冠したバンド”黒木渚”を結成。 2012年12月「あたしの心臓あげる」でデビュー。2013年12月COUNTDOWN JAPAN 13/14出演をもってバンドは解散。2014年からソロ活動開始。同年4月1stアルバム「標本箱」をリリース。2015年「自由律」など多数のアルバムを発表。また「壁の鹿」で小説家としてもデビューする。 2016年4月には「ふざけんな世界、ふざけろよ」、7月には配信シングル「灯台」をリリース。