
キスの欠片
キスノカケラ

「君はこんなに美味しくて、いつも、俺に料理してほしくてたまらないくせに……そんなことができる?」
吉野は音を立てて千冬の首筋を吸い、彼のほっそりしたしなやかな腰を抱き寄せると、その唇をゆっくりと味わう。まるで吐息のように「俺だって迷っているのに」という言葉が囁かれた。大切な夢を失わないため、苦しみながらも自ら選んだ結論に、千冬の心は揺らいでいた。
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書誌情報
紙版
発売日
2000年02月04日
ISBN
9784062554541
判型
A6
価格
定価:649円(本体590円)
ページ数
320ページ
シリーズ
講談社X文庫