
飛行機はなぜ落ちるか 設計者からみた航空システムの安全性
ヒコウキハナゼオチルカセッケイシャカラミタコウクウシステムノアンゼンセイ
- 著: 遠藤 浩

凍りついた翼が墜落を呼ぶことはわかった。では、それで事故はなくなったか?
かつて、短中距離航空機の墜落事故が寒冷地で続出したことがあった。調査の結果、尾翼に氷が着き、失速したことがわかった。当時、主翼や、エンジンの空気取り入れ口の着氷のみが注目されていて、尾翼着氷はわからなかったのだ。その後、スウェーデンと旧ソ連の共同研究によって、この尾翼着氷のメカニズムは、ほぼ解明された。それにも関わらず、事故は繰り返すのである。たとえば1992年、ニューヨークで着氷による離陸失敗事故を起こしたUSエアのF28型機の場合、主翼、尾翼とも離陸中の防氷装置の使用を禁じられていたという。なぜだろうか……。
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目次
1 自然の脅威──天候──
2 壊れる機体──構造──
3 失われた動力──エンジン──
4 過ちは人の常──人為ミス──
5 機械と人間──自動化──
6 社会と航空──経営──
書誌情報
紙版
発売日
1994年05月17日
ISBN
9784062570190
判型
新書
価格
定価:968円(本体880円)
通巻番号
1019
ページ数
238ページ
シリーズ
ブルーバックス