
免疫と健康
メンエキトケンコウセイタイボウギョノカンガエカタカラオウヨウヘ
- 著: 野本 亀久雄

免疫を超える生体防御の考え方
細菌やウイルスなどの“外敵”が人体に侵入したとき、それらを適切に処理して生命を守る精妙でダイナミックなしくみが免疫だが、生命を守るしくみは免疫だけではない。人体には免疫のほかに、皮膚や粘膜、さらには腸内細菌さえもが生命を守る“バリアー(防壁)”として働く生体防御のシステムが備なわっている。このシステム全体を知ることによって私たちは、個人の健康から医療のあり方、あるいは院内感染対策といった緊急な問題までも、はじめて統一的に考えることができる!
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目次
1 生体防御のしくみを探る
1.生体防御とは何か?
2.免疫と初期防御因子
3.生体防御の基本的な構成因子
4.細胞性防御因子の働き
5.体液性防御因子の働き
2 免疫の働きを探る
6.抗体
7.リンパ球
8.免疫応答とは何か?
9.免疫応答に関与する細胞と活性物質
10.骨髄からはじまる防御因子のリクルートメント
11.もう1歩、免疫応答へふみ込むと――
12.粘膜のリンパ組織
3 初期防御から免疫へ
13.生体防御をとらえる座標軸
14.体液性免疫による防御
15.細胞性免疫による防御
16.生体防御因子の比重論的位置づけ
4 生体防御と体の異常
17.過剰な免疫反応
18.自己免疫病
19.生体防御の機能不全
20.臓器移植、ガン、妊娠と生体防御のかかわり
5 生体防御を調節する
21.予防注射
22.非特異的免疫療法剤
23.サイトカインと類似物質
24.細胞の移入による機能回復
25.日常生活の中の調節因子
26.健康食品の役割
27.クロレラをめぐる研究の方向性
28.クロレラの有効成分の確認
29.クロレラの熱水抽出物(CVE)の効果
30.CVEの抗腫瘍効果の作用機序
31.生体防御の各構成要素へのCVEの作用
32.骨髄機能不全に対するCVEの回復促進効果
33.生体防御不全マウスとCVEの感染防御回復効果
6 生体防御論を生存環境改善へ活用する
34.院内感染対策と生体防御
35.在宅医療、在宅介護と生体防御
36.生存環境と生体防御
書誌情報
紙版
発売日
1994年12月14日
ISBN
9784062570497
判型
新書
価格
定価:968円(本体880円)
通巻番号
1049
ページ数
234ページ
シリーズ
ブルーバックス