
脳が考える脳
ノウガカンガエルノウソウゾウリョクノフシギ
- 著: 柳澤 桂子

脳はいかにしてイメージをふくらませるのか
ヒトは想像する動物です。たとえば「桜」という一言から想い起こすものはなんですか? 淡い桃色、生暖かい春風、緋毛氈……さまざまな情景が同時に浮かんできます。イメージすることはヒトにだけめぐまれた能力ではないようですが、なぜそんなことができるのでしょう。五感からの情報が脳に入力され、記憶され、「桜」の一言で再構築された結果ではないでしょうか。また、多くのヒトが本能的にヘビを恐れるのはなぜでしょう。ヘビを恐れるという性向が、遺伝子のなかに組み込まれているのでしょうか。あるイメージを私たちがいだくとき、脳ではどんなことが起きているのか探ることをとおして、最先端の大脳生理学の成果についてお話しましょう。
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目次
1 目の前にないものを見る
2 イメージとは何か
3 脳が脳を考える
4 ものはなぜ見えるか
5 神経ネットワークはどのようにしてできるか
6 記憶のメカニズム
7 夢は脳にとってどんな意味があるのか
8 情報の統合
書誌情報
紙版
発売日
1995年01月17日
ISBN
9784062570527
判型
新書
価格
定価:902円(本体820円)
通巻番号
1052
ページ数
206ページ
シリーズ
ブルーバックス