
DNAで何がわかるか
ディーエヌエーデナニガワカルカイデンビョウ・ディーエヌエーカンテイカラジンルイノコンゲンマデ
- 著: 栗山 孝夫

人類の起源は果たしていつか?
「現代人の遺伝子をたどってどんどん過去に遡ると、20万年前、東アフリカにいた1人の女性に行き着く」これが1986年に発表されたイブ仮説。人の細胞内にあるミトコンドリアの遺伝子を世界中から集め、塩基配列の違いを比較して、人類の系統樹を作って出された結論だ。このミトコンドリア、父親のものは子どもに受け継がれないという性質がある。つまり、世界中の人に「あなたのお母さんは誰?」と聞いていったら、1人の共通のお母さんに行き着いたということ。これに驚いたのは、化石の研究者。約440万年前のラミド猿人の化石が、人類に直結する最古の化石としているからだ。これではあまりにも差がありすぎる。人類起源の論争は、はじまったばかりだ。
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目次
1 遺伝子に隠された病因
1.不思議な繰り返し
2.糖尿病に弱い日本人
3.「知らないでいる権利」……進む遺伝子診断
2 解明進む遺伝子
1.次々と新遺伝子判明
2.遺伝子の「働き」が問題
3.フランスが先制、焦る日本
3 遺伝子が語る人類の過去
1.人類の2人のお母さん
2.酒に強い縄文人
3.性で異なる遺伝子の働き
4.DNAに潜むウイルス
4 生命を操る遺伝子
1.素質(遺伝子)か環境か
2.遺伝子が時間を管理
3.生物時計が止まる時
4.遺伝子を守る遺伝子
5 DNAで個人識別
1.1個の違いが分かる
2.DNA鑑定の3方法
6 一歩先行く動植物の遺伝子技術
1.遺伝子で絶滅動物を救う
2.どこまでできる“改造動物”
3.動き出した植物バイオ
4.花を咲かせる遺伝子
5.植物の“錬金術”
書誌情報
紙版
発売日
1995年11月15日
ISBN
9784062570947
判型
新書
価格
定価:946円(本体860円)
通巻番号
1094
ページ数
222ページ
シリーズ
ブルーバックス