
もう一つの宇宙
モウヒトツノウチュウリョウシリキガクトソウタイロンカラデテキタヘイコウウチュウノカンガエカタ
- 著: A.フレッド・ウルフ ,
- 訳: 遠山 峻征 ,
- 訳: 大西 央士

それは確かに存在し、接触可能だという
私たちとまったく瓜2つの人間がいる別の宇宙――並行宇宙――があり、技術さえ進歩すれば接触可能だなどと、そう簡単に信じられるものではない。しかし、並行宇宙がある、いや、なければならないとする考え方は、量子力学と相対論の双方から、まったく違ったかたちで、必然的に導かれるものなのだという。そして著者は、どちらの理論が導く並行宇宙も、じつは同じものだと考えている。本書は並行宇宙の考え方を中心にすえ、量子力学と相対論を結びつけた新しい宇宙像を、豊富なたとえ話を駆使して平易明快に描き切る。
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目次
1 並行宇宙とはなにか?
1.並行宇宙の発想を生んだ量子物理学
2.1つの宇宙の行きづまり――2重スリット
3.並行する世界にひろがる波にのって
4.コペンハーゲンの波
5.量子波動関数の意味
2 宇宙は1つではないのか?
6.「ある」ということ
7.「ない」現実が決める「ある」現実と、ふだん気づかない「違い」
8.自己言及――「ある」と「ない」
9.見上げてごらん――超空間を!
10.ネズミ、コイン、量子力学的重ね合わせ
3 内と外――時間は曲がり、空間はゆがむ
11.相対論、そして空間の1つの次元としての時間
12.実の時間、ゼロの時間、虚の時間、そして実の空間、虚の空間
13.アインシュタインの並行宇宙
14.ブラックホール――並行宇宙へのゲートウェイ
15.ブラックホールからかいま見た並行宇宙
16.ブラックホールを通って並行宇宙へ行く想像の旅
4 「はじめに……ありき」
17.ビッグ・バンの最初の観測者
18.エデンの園の諸問題
19.宇宙の基底状態
20.「いつ、なにが」を誰が見たか?
5 並行宇宙が示す新しい時間の概念
21.タイム・トラヴェル
22.並行宇宙が解決するタイム・トラヴェルのパラドックス
23.時間のなかで衝突する波
24.ホイーラーの選択
25.タイム・マシーンをつくる
6 並行宇宙における時間と精神
26.並行宇宙における精神
27.2時測定と未来からのメッセージ
28.もう1つの並行宇宙の写真を撮る
29.「知る」とはどういうことか?
30.量子コンピュータと量子倫理
31.明日の並行宇宙と語りあう
32.アルファとオメガ
33.現実と存在
書誌情報
紙版
発売日
1995年12月14日
ISBN
9784062570985
判型
新書
価格
定価:1,474円(本体1,340円)
通巻番号
1098
ページ数
440ページ
シリーズ
ブルーバックス