
生物をまねた新素材
セイブツヲマネタシンソザイユメノムコウガイ・コウキノウザイリョウヘノチョウセン
- 著: 竹本 喜一

高機能でクリーンという魔法のような新素材のヒントは生物にある!
たとえば丈夫な竹は、タケノコのときは一様に分布している繊維を、成長するにつれて表面に近いところは密に内部は粗く分布するように組織の「最適化」を自動的に行う。こうして、同一の材料から物理的な強度・密度が連続して変化する最新の「傾斜機能材料」の優れた目標となっているのである。この竹に限らず、生物は限られた種類の材料から常温・常圧で優れた機能をもつ無公害の素材をつくり出す。その生物をまねた新素材を人工的につくるバイオミメティックスの最新理論と技術を平易に解説する。
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目次
1 人間は生物素材にどこまで迫れたか?
1.生物の美しい色を再現する
2.天然繊維や皮膚の感触をまねる
3.高機能の分離膜をつくる
4.超吸水性樹脂と動植物がつくるゲル
5.新しい接着剤の考え方
2 生物の技術にひそむ新素材の見方・考え方
1.鳥が産む卵
2.生物がつくるゴム
3.骨格材料の進化
4.動植物がつくるプラスチック
5.貝が貝殻をつくる技術
6.生物界とケイ素の化学
3 材料生物学のめざすもの
1.複合材料のアイデア
2.形状記憶材料から分子認識材料へ
3.生物がつくる有機金属材料
4.生物体内のエネルギー変換
5.植物における動物的性能
6.エコマテリアルの開発
書誌情報
紙版
発売日
1995年12月14日
ISBN
9784062571005
判型
新書
価格
定価:880円(本体800円)
通巻番号
1100
ページ数
190ページ
シリーズ
ブルーバックス