
がんとDNA
ガントディーエヌエーブンシセイブツガクデトキアカスガン
- 著: 生田 哲

「がん発生のしくみ」研究の最前線
紀元前から、つい最近まで謎の病気であった「がん」。ついにがん発生のしくみが明らかになった。がんは遺伝子の塩基配列が変化(変異)することによって起こる遺伝子病だったのである。では、いったい遺伝子とは何だろうか? どうやって、遺伝子はおかしくなり、細胞はがんになって広まるのだろうか。
本書では、DNAの立体構造といった基礎から、DNAが何によって、どうダメージを受けるのか、そのダメージはどのように修復されるのか、そして、がんの発生、がん抑制遺伝子と免疫といった最新の知見を、わかりやすく解説する。
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目次
1 遺伝子はつねにダメージを受けている
1.細胞が生命の最小の単位
2.生物の特徴
3.体細胞と生殖細胞
4.細胞の増殖
5.正常細胞と異常細胞
6.がんは古くからの病気である
7.遺伝子とはなにか
8.ヒトの細胞、染色体、遺伝子
9.DNAの立体構造
10.DNAの立体構造の詳細
11.ヒトのDNA
12.遺伝子の発現はコントロールされている
13.DNAの変異はたえず起こっている
14.さまざまな変異
15.変異はどのようにして起こるのか
16.DNAダメージ、がん細胞、アポトーシス
17.細胞の死
2 遺伝子のダメージと発がん
1.私たちは化学物質を摂取して生きている
2.食品として摂取された物質の運命
3.DNAに起こるダメージ
4.変異の起こるメカニズム
5.変異原の見つけ方:エイムス・テスト
3 ダメージを受けたDNAの修復
1.DNAの複製が始まる前にダメージを修復する:除去修復
2.DNAが複製する途中での修復:組み換え修復
3.ミスマッチ修復
4 ウイルスによる発がんと発がんの遺伝子
1.ウイルスとは遺伝子の小包である
2.ウイルスの形と遺伝子
3.レトロウイルスの構造
4.ウイルスは寄生によって生きる
5.がんウイルスの発見
6.がん、遺伝子、ウイルス:初期の研究
7.2種類のがんウイルス:DNA型がんウイルスとRNA型がんウイルス
8.がん細胞はどこからきたのか
9.ウイルスによる発がん研究は単細胞レベルでできる
10.ウイルスが細胞をがん化する:2つのしくみ
11.レトロウイルスのライフサイクル
12.オンコ遺伝子を探し求めて
13.プロトオンコ遺伝子の発見
14.遺伝子の運び屋
15.レトロウイルスの遺伝子の構造(1)
書誌情報
紙版
発売日
1997年01月20日
ISBN
9784062571548
判型
新書
価格
定価:836円(本体760円)
通巻番号
1154
ページ数
286ページ
シリーズ
ブルーバックス