記憶のしくみ 下

記憶のしくみ 下

キオクノシクミ

ブルーバックス

下巻では、いよいよ、人のアイデンティティー(独自性)を決める陳述記憶が、シナプスでどのように保存されるかのメカニズムを中心に解説しています。たとえば、電話番号をおぼえるような短期的記憶から、生涯にわたって忘れることのない記憶まで、そのメカニズムにどんな違いがあるのか。長期記憶を支える分子として、どんな種類のものがはたらいているのか。このような記憶の分子メカニズムが、どのような実験によって明らかにされてきたのかなどが明解に説明されています。
また、運動技能、習慣や連合学習(二つの刺激を組み合わせた記憶、古典的条件づけ)のメカニズムも説明しています。脳が膨大な量の記憶を獲得し保持できるのは、脳内のシナプスが構造的、機能的に可塑性を示す(可変である)ことに依存しているという思想が、本書の基調となっています。最後に、このような記憶の分子生物学および認知神経科学から、現代の高齢化社会における大きな課題である記憶能力の障害、つまりアルツハイマー病のような認知症の克服に向けて、どのような寄与ができるかを展望しています。


  • 前巻
  • 次巻

オンライン書店で購入する

目次

第6章 陳述記憶のためのシナプスにおける貯蔵メカニズム
第7章 短期記憶から長期記憶へ
第8章 プライミング、知覚学習そして情動学習
第9章 技能、習慣および条件づけのための記憶
第10章 記憶と個性の生物学的基礎

書誌情報

紙版

発売日

2013年12月20日

ISBN

9784062578431

判型

新書

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

通巻番号

1843

ページ数

304ページ

シリーズ

ブルーバックス

著者紹介

オンライン書店一覧