
ラカン 哲学空間のエクソダス
ラカンテツガククウカンノエクソダス
- 著: 原 和之

ラカンは精神分析のモーセである。約束の地は「他者」。
フロイトの開いた人間存在の最奥に位置する問題へと踏み込んでいったラカン。「シニフィアン」をはじめ独特の諸概念を生み出したセミネールの議論をたどり、「他者がある」ことに向けられた問いとの格闘の軌跡をたどる。
【目次】
序章 精神分析のモーセ
第一章 フロイトからラカンへ 「危機」の相続人として
1 言葉の意味、言葉の力
2 技法の確立と一九二〇年の「危機」
3 危機のテクスト、テクストの危機
第二章 精神分析への道 パラノイア・文学・戦争
1 他の起源
2 もう一つの「危機」
3 異形の言葉から内なる狂気へ
第三章 「シニフィアン連鎖」の思想
1 ラカンが参照する言語学
2 「言わんとすること」と聴く者のあいだ
3 「機知」あるいはシニフィアンの耐えがたい軽さ
第四章 エディプスコンプレックスと「グラフ」 王国の地形図
1 エディプスの鋳直し
2 欲望のマッピング ラカンのグラフ
第五章 大他者の基層 脱出の経路を求めて
1 砂漠へむかう道とその先駆者
2 大他者への賭
3 大他者の殲滅 性関係はあらぬ
第六章 「ディスクール」と「性別化」 砂漠の住まい方
1 望むことの享楽
2 欲動=機械としての身体
3 四つのディスクール
4 原父から性別化の理論へ
エピローグ 「ヨルダン川」の此岸で
読書案内
註
索引
- 前巻
- 次巻
目次
序章 精神分析のモーセ
第一章 フロイトからラカンへ 「危機」の相続人として
1 言葉の意味、言葉の力
2 技法の確立と一九二〇年の「危機」
3 危機のテクスト、テクストの危機
第二章 精神分析への道 パラノイア・文学・戦争
1 他の起源
2 もう一つの「危機」
3 異形の言葉から内なる狂気へ
第三章 「シニフィアン連鎖」の思想
1 ラカンが参照する言語学
2 「言わんとすること」と聴く者のあいだ
3 「機知」あるいはシニフィアンの耐えがたい軽さ
第四章 エディプスコンプレックスと「グラフ」 王国の地形図
1 エディプスの鋳直し
2 欲望のマッピング ラカンのグラフ
第五章 大他者の基層 脱出の経路を求めて
1 砂漠へむかう道とその先駆者
2 大他者への賭
3 大他者の殲滅 性関係はあらぬ
第六章 「ディスクール」と「性別化」 砂漠の住まい方
1 望むことの享楽
2 欲動=機械としての身体
3 四つのディスクール
4 原父から性別化の理論へ
エピローグ 「ヨルダン川」の此岸で
読書案内
註
索引
書誌情報
紙版
発売日
2002年10月10日
ISBN
9784062582513
判型
四六
価格
定価:1,650円(本体1,500円)
通巻番号
251
ページ数
240ページ
シリーズ
講談社選書メチエ
著者紹介
1967年生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。パリ第四大学博士課程(哲学史)修了。専攻はフランス思想、精神分析、メディア理論。電気通信大学専任講師・助教授を経て、現在東京大学大学院総合文化研究科助教授。著書に『美のポリティクス』(共著)『フランスとその<外部>』(共著)訳書にM・フーコー『主体の解釈学』(共訳)がある。