<育てる経営>の戦略 ポスト成果主義への道

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<育てる経営>の戦略 ポスト成果主義への道

ソダテルケイエイノセンリャク ポストセイカシュギヘノミチ

講談社選書メチエ

『虚妄の成果主義』の著者による新・経営論一元的な点数化。客観評価に対する違和感――。成果主義が破壊した人材育成機能。いま企業はどのようなシステムを再構築すべきか。人材育成の思想と知恵を解く。
「客観評価」「評価のフィードバック」を掲げ、給料格差と勤労意欲の連動を信じた成果主義はいちばん大切な人材育成機能を破壊した。いま、企業はどのようなシステムを再構築すべきなのか。「やり過ごし」「尻ぬぐい」など先達の知恵と経営戦略論が明かす<育てる経営>の思想。虚妄の成果主義』の著者によるこれからの経営論!

【目次】
第1章 客観評価の虚妄
第2章 貧困な発想
第3章 『虚妄の成果主義』が批判したもの
第4章 目的はモチベーション
第5章 人的資源は買えない
第6章 競争優位の源泉としての資源・能力蓄積過程
第7章 例解:発明の対価
第8章 育てる経営


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目次

はじめに
育てる経営という思想/「日本型年功制」というシステム
第一章 客観評価の虚妄
成果主義の失敗がもたらしたもの/大多数の人には差をつけること自体が徒労/点数の逆算が不満を高める/好き嫌いまで点数・給与に反映する不条理/客観的=無責任/「また君と一緒に仕事がしたい」/成長する会社・しない会社/一人では何もできない/できる上司の下で働きたい
第二章 貧困な発想
なんでもかんでも人事システムのせいにするな/成果主義で会議がよみがえる?/採用と賃金は別の問題/エース級は選抜ではなく採用が要/評価してほしい≠けなしてほしい/予想された未来がやってきただけ/多様性に賃金制度では対処できない/『裸の王様』と同じ理屈/答えは常にケース・バイ・ケース/何のための「評価」か
第三章 『虚妄の成果主義』が批判したもの
成果主義はみな失敗する/人は金のみのために働くにあらず/期待理論の創始者ブルームの卓見/金のインパクトの強さが仕事の喜びを奪う/年功序列ではなかった「日本型年功制」/賃金カーブは生活費を保障するために設計されてきた/年功制でも差はついていた/次の仕事の内容で報いるシステム
第四章 目的はモチベーション
だからこそ次の仕事で報いる/最悪の結末/成果主義の論理/数百円の差/次の仕事で人は育つ/苦しい会社には成果主義は禁じ手/SCENE1:高級料亭に連れて行く/SCENE2:ホームパーティーに家族同伴で招く/SCENE3:研修に社長が登場/やりがいを感じた瞬間の経験を財産に
第五章 人的資源は買えない
優秀な人材は金で買えるのか/ベンチャー企業に対する幻想/階層構造を作らなくては組織は成長できない/二人ではよい仲間、三人では……/上下関係が人を育てる/日本企業の知恵/やり過ごし/トレーニング・コスト/尻ぬぐい/成果主義のしわ寄せ
第六章 競争優位の源泉としての資源・能力蓄積過程
切手少年の記憶/コレクションの価値/ユニークさの源泉/市場環境の分析から組織資源の分析へ/RBVの登場/レントの源泉/「独占のレント」への疑問/リカードのレント/不確実な模倣可能性がレントを生む/市場取引の困難さがレントを生む/RBVの基礎構造/資源や能力の蓄積過程こそ鍵
第七章 例解:発明の対価
「青色LED訴訟」/職務発明の対価算定の視点/発明者がリスクを負担していた場合との比較/特許権の金銭的価値について/日亜化学の市場での優位性維持に対する本件特許発明の貢献度/会社の貢献度について/日本の会社経営に及ぼしうる影響
第八章 育てる経営
経営者は特別なのです/一〇年後の未来/タイムリミット/人材はどこからも降ってこない/「すごい人」は年下の人/隠された投資

あとがき
若い世代は大人の言葉を求めている/会社の未来を担う若者のために
参考文献

書誌情報

紙版

発売日

2005年04月10日

ISBN

9784062583282

判型

四六

価格

定価:1,650円(本体1,500円)

通巻番号

328

ページ数

220ページ

シリーズ

講談社選書メチエ

電子版

発売日

2013年01月18日

JDCN

0625832800100011000I

著者紹介

著: 高橋 伸夫(タカハシ ノブオ)

1957年生まれ。小樽商科大学卒業。筑波大学大学院社会工学研究科単位取得。学術博士(筑波大学)。東京大学大学院経済学研究科教授。専門は、経営学・経営組織論。 主著に、『できる社員は「やり過ごす」』『日本企業の意思決定原理』『虚妄の成果主義』などがある。

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