唱歌と国語  明治近代化の装置
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唱歌と国語  明治近代化の装置

ショウカトコクゴメイジキンダイカノソウチ

講談社選書メチエ

「蛍の光」「埴生の宿」から見える明治史。明治という近代化の時代、西洋を受容しあらたな「日本」を模索するなかで、なぜ「歌」が必要だったのか。日本語の「文法」と「唱歌」をめぐる知られざる歴史。

日本のうたとして現在も関心を集める唱歌は、いかなる歴史の中で生まれたものだったのか。「蛍の光」「仰げば尊し」といった“名曲”から「鉄道唱歌」「公徳唱歌」「工業唱歌」など暗唱による唱歌教育のために作られた曲まで、それらの数々の唱歌の作詞に関わった伊沢修二、稲垣千頴、大和田建樹などの人物たちは、近代の日本語とその「文法」も同時に模索していた。あらゆる分野で「西洋」を受容する必要に迫られ、同時にあらたな「日本」を模索していた明治という近代化の時代を、唱歌と国語という視点で読み解く試み。

【目次】
プロローグ
第1章 国楽創生
1 唱歌の誕生
2 伊沢修二と音楽教育
3 国家をめぐって
第2章 文法の発見
1 文法の発見と学校文法
2 明治前期の教育と文法
3 明治前期の文法教科書
第3章 唱歌と文典
1 『小学唱歌集』と歌詞論争
2 音楽取調掛員とその周辺
3 明治前期の文法書から見えてくること
第4章 装置としての唱歌
1 「国語」科の成立
2 「唱歌」科の変質
3 唱歌教育の意味
第5章 暗唱されるものの内実――新体詩と唱歌
1 新体詩の成立と井上哲次郎
2 新体詩人の唱歌作詞者・大和田健樹
3 唱歌と文法の統一
第6章 明治近代化と文法・唱歌
1 文法の意味
2 唱歌の意味
3 装置への変貌
4 唱歌・文法の行方
5 規律化へのまなざし
エピローグ
主要参考文献
あとがき
索引


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目次

プロローグ
第1章 国楽創生
1 唱歌の誕生
2 伊沢修二と音楽教育
3 国家をめぐって
第2章 文法の発見
1 文法の発見と学校文法
2 明治前期の教育と文法
3 明治前期の文法教科書
第3章 唱歌と文典
1 『小学唱歌集』と歌詞論争
2 音楽取調掛員とその周辺
3 明治前期の文法書から見えてくること
第4章 装置としての唱歌
1 「国語」科の成立
2 「唱歌」科の変質
3 唱歌教育の意味
第5章 暗唱されるものの内実――新体詩と唱歌
1 新体詩の成立と井上哲次郎
2 新体詩人の唱歌作詞者・大和田健樹
3 唱歌と文法の統一
第6章 明治近代化と文法・唱歌
1 文法の意味
2 唱歌の意味
3 装置への変貌
4 唱歌・文法の行方
5 規律化へのまなざし
エピローグ
主要参考文献
あとがき
索引

書誌情報

紙版

発売日

2008年02月09日

ISBN

9784062584067

判型

四六

価格

定価:1,650円(本体1,500円)

通巻番号

406

ページ数

228ページ

シリーズ

講談社選書メチエ

電子版

発売日

2013年06月28日

JDCN

0625840600100011000D

著者紹介

著: 山東 功(サントウ イサオ)

1970年生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。博士(文学)。大阪府立大学人間社会学部専任講師。専攻は、日本語学・日本思想史。 著書に、『明治前期日本文典の研究』、共著に、『国語施策百年史』などがある。

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