鷹と将軍 徳川社会の贈答システム

鷹と将軍 徳川社会の贈答システム

タカトショウグントクガワシャカイノゾウトウシステム

講談社選書メチエ

鷹狩は古代から続く伝統的な行為である。猛禽類の野生の鷹を飼い馴らすことは至難の業で、野外での鷹狩に備えて一年中昼夜を問わず飼育する必要があったため、専門の職能を持つ鷹匠が生まれ、その特殊な技芸は後代に継承された。鷹を飼う場としての巣鷹山の自然環境維持も必要であり、鷹文化の継承は為政者の保護なくしては困難であった。そのため、古代では天皇や公家・豪族、中世では武士が鷹狩を行ったが、とくに徳川の将軍たちは、鷹狩という行為そのものだけでなく、鷹の献上や拝領、贈答や獲物の饗応といった派生行為をも含めて、政治システムの中に深く組み込ませた。鷹や鷹狩は将軍権威の表徴となり、大名統制にも利用され、多様な面で、「格付」が明示された。伝統文化と政治体制の不可分な関係は、茶道や絵画などにも見られることだが、本書では「鷹文化」を主題として、日本史上最初かつ最長の全国支配を行った徳川の将軍たちの「伝統文化の継承と政治利用」のあり方について検討、政治史と文化史の融合を試みる。

【目次】
はじめに
第1章 家康と鷹狩り
1無類の鷹狩好き
2継承する将軍たち
3彦根藩の「御鷹場」
第2章 献上と拝領
1弘前藩津軽家の鷹献上
2彦根藩井伊家の鷹拝領
3大名間の鷹贈答
第3章 綱吉と吉宗
1鷹狩を廃止した綱吉
2家康回帰の吉宗
3国家の政事
第4章 鷹匠と若年寄
1名鷹を扱う技術者
2鷹狩の責任者
おわりに

あとがき
終 章 家康の存在


  • 前巻
  • 次巻

目次

はじめに
第1章 家康と鷹狩り
1無類の鷹狩好き
2継承する将軍たち
3彦根藩の「御鷹場」
第2章 献上と拝領
1弘前藩津軽家の鷹献上
2彦根藩井伊家の鷹拝領
3大名間の鷹贈答
第3章 綱吉と吉宗
1鷹狩を廃止した綱吉
2家康回帰の吉宗
3国家の政事
第4章 鷹匠と若年寄
1名鷹を扱う技術者
2鷹狩の責任者
おわりに

あとがき
終 章 家康の存在

書誌情報

紙版

発売日

2009年05月09日

ISBN

9784062584395

判型

四六

価格

定価:1,650円(本体1,500円)

通巻番号

439

ページ数

234ページ

シリーズ

講談社選書メチエ

著者紹介

著: 岡崎 寛徳(オカザキ ヒロノリ)

1969年生まれ。中央大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程後期課程修了。博士(史学)。日本学術振興会特別研究員、中央大学兼任講師、慶応義塾大学講師など。著書に、『近世武家社会の儀礼と交際』『改易と御家再興』『遠山金四郎』などがある。