マニ教

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マニ教

マニキョウ

講談社選書メチエ

キリスト教がもっとも恐れた謎の世界宗教の全貌
世界初の包括的入門書

ゾロアスター・イエス・仏陀の思想を綜合し、古代ローマ帝国から明代中国まで東西両世界に流布しながら今や完全に消失した「第4の世界宗教」。「この世」を悪の創造とし全否定する厭世的かつ魅力的なその思想の全貌を、イラク・イラン、中央アジア、北アフリカ、ヨーロッパ、中国に亘りあまねく紹介する世界初の試み。

【目次】
プロローグ――マーニー・ハイイェーとマーニー教
第1章 マーニー教研究資料の発見史――西域の砂漠から南シナ海沿岸の草庵まで
第2章 マーニー・ハイイェーの生涯――「イエス・キリストの使徒」にして「バビロニアの医師」
第3章 マーニー・ハイイェーの啓示――現世の否定と光の世界への帰還
第4章 マーニー教の完成
第5章 マーニー教教会史1――エーラーン・シャフル
第6章 マーニー教教会史2――ローマ帝国
第7章 マーニー教教会史3――ウンマ・イスラーミーヤ
第8章 マーニー教教会史4――中国


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目次

プロローグ───マーニー・ハイイェーとマーニー教
1 人工の宗教・書物中心の宗教・神話的表象の宗教
2 第四の世界宗教?
3 消え去った宗教
第一章  マーニー教研究資料の発見史───西域の砂漠から南シナ海沿岸の草庵まで
1 西域の砂漠
2 北アフリカ
3 第二次世界大戦後の発見
4 イスラーム系資料の再評価
5 二〇世紀以降に発見されたマーニー教研究資料と二一世紀初頭の研究状況
第二章  マーニー・ハイイェーの生涯───「イエス・キリストの使徒」にして「バビロニアの医師」
1 マーニーの生涯の時代区分
2 篤信の洗礼教団時代(〇~一二歳)
3 反抗の洗礼教団時代(一二~二四歳)
4 初期宣教とインド時代(二四~二六歳)
5 栄光の教祖時代(二六~五六歳)
6 殉教の教祖時代(五六~六〇歳)
第三章  マーニー・ハイイェーの啓示───現世の否定と光の世界への帰還
1 マーニーの記念碑
2 宇宙論───光の神と闇の神の対決
3 人間論───最終決戦の舞台としての人間存在
4 救済論───使徒たちの派遣
5 倫理───暗黒の肉体を浄化する禁欲主義
6 終末論───光の世界への帰還と世界の最終浄化
7 マーニー・ハイイェーの思想の意義───先行諸思想と独自性
第四章  マーニー教の完成
1 マーニーの遺産
2 マーニー教教会───マーニスターンとヒエラルヒー
3 マーニー教儀礼───「人工の宗教」の「人工の儀礼」
4 マーニー教芸術───教祖の絵画的天分の開花
第五章  マーニー教教会史1───エーラーン・シャフル
1 教祖没後のマーニー教教会───後継者争い
2 暗黒の四世紀───ゾロアスター教神官団の異端審問
3 『ザンド・アベスターグ』の完成と「ザンドの異端」への転化
4 中央アジアの東方マーニー教神学とデーナーワリー派の出現
第六章  マーニー教教会史2───ローマ帝国
1 地中海世界への拡大
2 アウグスティヌスの出現とスペインの「ラテン的マーニー教」
3 キリスト教のローマ帝国国教化と西方マーニー教教会の崩壊
4 ヨーロッパにおけるマーニー教的異端
第七章  マーニー教教会史3───ウンマ・イスラーミーヤ
1 シスマの終焉とウマイヤ王朝期の全盛時代
2 知識人の宗教と大弾圧
3 独創的思想家の輩出と変容するマーニー教教義
4 一〇世紀、再び中央アジアへの脱出
第八章  マーニー教教会史4──中国
1 マーニー教の中国初伝
2 大唐帝国・遊牧ウイグル王国・天山ウイグル王国の摩尼教 
3 光の仏陀(摩尼光仏)かイランを教化した老子(老子化胡)か
4 宋・元・明代の明教───喫菜事魔
エピローグ───近現代の「信仰」としてのネオ・マーニー教
参考文献表
あとがき
索引

書誌情報

紙版

発売日

2010年11月12日

ISBN

9784062584869

判型

四六

価格

定価:1,980円(本体1,800円)

通巻番号

485

ページ数

292ページ

シリーズ

講談社選書メチエ

電子版

発売日

2015年07月24日

JDCN

0625848600100011000L

著者紹介

著: 青木 健(アオキ タケシ)

1972年生まれ。東京大学文学部卒業、同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。K.R.Cama東洋研究所研究員、早稲田大学非常勤講師。専門は、ゾロアスター教、イラン・イスラーム思想。 主な著書に、『ゾロアスター教』『アーリア人』がある。

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