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記号創発ロボティクス 知能のメカニズム入門
キゴウソウハツロボティクスチノウノメカニズムニュウモン
- 著: 谷口 忠大

人間は成長するに従い言語コミュニケーション能力、運動能力を獲得していく。同様のプロセスをロボットに行わせることが研究されている。脳を代替させる演算装置にはアルゴリズム、数理モデルをつくり、目の代わりになる視覚センサ、運動器の代わりになる。人工知能研究者やロボット研究者の仕事は、「知能を創ること」とも言える。本書では、記号創発ロボティクスのアプローチを紹介し、知能のメカニズムに迫る。
人工知能の開発やロボット研究の最前線を紹介しながら、「知能とはなにか」「ロボットに心は持てるか」を問う、スリリングな論考!
人間は成長するに従い言語コミュニケーション能力、運動能力を獲得していく。同様のプロセスをロボットに行わせることが研究されている。
脳を代替させる演算装置にはアルゴリズム、数理モデルを作り、目の代わりになる視覚センサで世界を認識し、運動器の代わりになるモータなどで反応し行動を起こす。
人工知能研究者やロボット研究者の仕事は、「知能を創ること」とも言える。本書では、記号創発ロボティクスのアプローチを紹介し、知能のメカニズムに迫る。
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目次
第一章 ロボットが心を持つとき
意識と心と言語と/発達する知能の計算論的理解/とあるロボットの話/
とある子供の話/環世界と「認知的な閉じ」/
人間とロボットの知能は何が違うのか/人工知能研究者の二つのモチベーション/
構成論的アプローチと計算論的理解/ロボットとコンピュータの違い/
記号創発ロボティクス
第二章 自ら概念を獲得するロボット
ロボットから見た世界/概念の循環参照/物体概念の存在意義/
「概念形成は不可能だ」と哲学者は言った/クラスタリング入門/
物体概念を獲得するロボット/ロボットによる視覚情報の取得/
ロボットによる聴覚情報の取得/ロボットによる触覚情報の取得/
マルチモーダルLDA/マルチモーダル物体概念形成の実験/
物体概念の身体依存性/ロボットと物体概念
第三章 自ら言葉を学ぶ知能
物の名前を学ぶ知能/単語獲得と形態素解析/ベイズ教師なし形態素解析/
n-gramモデル/階層Pitman-Yor言語モデル/
ブロック化ギブスサンプリングによる形態素解析/相互分節化仮説/
マルチモーダル概念形成と教師なし形態素解析に基づく語彙獲得
第四章 潜んでいる二重分節構造
実世界データから単語を見出す/二重分節構造/単語の意味と音素の無意味/
二重分節データ生成過程/時系列データからの二重分節構造推定への挑戦/
二重分節解析器/非分節動作からの模倣学習/
自動車運転挙動における文脈切り替わり点の検出/
二重分節構造を用いた予測/生成と認識に潜む二重分節構造
第五章 ロボットは共感して対話する
ただひとこと「取って」と言われたら何をしますか?/
共有信念に基づく会話/マルチモーダル対話を実現するロボット/
信念システムの計算論/全体信念関数による曖昧さの理解/
敢えて曖昧に話すロボット/ロボットと人間は「ツーカー」の関係になれるか/
共有信念がつくる内と外
第六章 構成論的アプローチ
構成論的アプローチとはなにか?/認知発達ロボティクスと構成論/
複雑系と構成的方法/構成論的アプローチと科学的アプローチ/ ほか
書誌情報
紙版
発売日
2014年06月11日
ISBN
9784062585804
判型
四六
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
通巻番号
577
ページ数
240ページ
シリーズ
講談社選書メチエ
電子版
発売日
2014年07月25日
JDCN
0625858000100011000V
著者紹介
1978年、京都市生まれ。京都大学工学部物理工学科卒業。2006年、同大学院工学研究科博士課程修了。京都大学・博士(工学)。2008年、立命館大学情報理工学部助教、2010年より同准教授。計測自動制御学会学術奨励賞、システム制御情報学会奨励賞・論文賞・砂原賞など受賞。著書に『コミュニケーションするロボットは創れるか──記号創発システムへの構成論的アプローチ』(NTT出版)、『ビブリオバトル──本を知り人を知る書評ゲーム』(文春新書)がある。