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大江戸商い白書――数量分析が解き明かす商人の真実
オオエドアキナイハクショスウリョウブンセキガトキアカスショウニンノシンジツ
- 著: 山室 恭子

零細店舗あふれる江戸の町。外食屋七〇〇〇軒。一二六人あたり一軒の古道具屋。米屋は一日三〇名程度の来店客――。十数年しか続かず、血縁原理も働かなかった商家がほとんどだった花のお江戸の商人たちの選択のドラマとは? 狭くて人口密度が高く、売り手買い手ともに自由な一大消費都市江戸の商いのありようとは? 四〇〇〇軒の商家を徹底的に数値解析することで、従来の大商家「越後屋=三井」史観に決別する。
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目次
はじめに 熊吉についてわかるすべてのこと
第一章 五坪に四人 江戸の人口密度を推計する
第二章 江戸商人データ解析
1 江戸商人データベースの作成
2 平均存続わずか一五・七年
3 株の五割は非血縁譲渡
4 店の五割は米屋か炭屋
5 番組編成の三類型
第三章 競争と共生
1 地区別店舗分布
2 大江戸ショッピングガイド
3 本所・深川の米流通網
4 御用金をいくら出す?
第四章 江戸の完全競争市場
1 薄利寡売の茨道
2 江戸の完全競争市場
3 リサイクルショップとファストフード
第五章 大江戸商い模様
1 桜吹雪の町奉行
2 豆腐屋甚吉の町売り攻勢
3 肴屋松五郎の鰤一〇〇本
4 三人の両替商
5 髪結常吉と三〇〇人の仲間
6 湯屋のぬくもり
おわりに
書誌情報
紙版
発売日
2015年07月11日
ISBN
9784062586054
判型
四六
価格
定価:1,760円(本体1,600円)
通巻番号
602
ページ数
232ページ
シリーズ
講談社選書メチエ
電子版
発売日
2015年07月24日
JDCN
0625860500100011000G
著者紹介
一九五六年東京都生まれ。東京大学文学部卒業、同大学大学院人文科学研究科博士課程中退。文学博士。現在、東京工業大学大学院社会理工学研究科教授。専攻は日本史。主な著書に『中世のなかに生まれた近世』(講談社学術文庫、サントリー学芸賞受賞)、『黄金太閤』(中公新書)、『群雄創世紀』『歴史小説の懐』(以上、朝日新聞社)、『黄門さまと犬公方』(文春新書)、『江戸の小判ゲーム』(講談社現代新書)がある。