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こころは内臓である スキゾフレニアを腑分けする
ココロハナイゾウデアルスキゾフレニアヲフワケスル
- 著: 計見 一雄

精神科医としての50年を統合失調症の治療に当たってきた著者が、それは俗に言われるように「正常」と断絶された「狂気」とされるものなのか、あるいは治療法のある「症状」なのかを問題意識としながら、この病気の本態を語り尽くす。「現実の否認」「現在の消失」「心的エネルギーの回路づけの不具合」「昏迷」など、この病の特徴と心の働き方の傾向の関連を見極める。
かつては精神分裂病と呼ばれ、今では統合失調症と名称変更された病気「スキゾフレニア」。精神科医としての50年をこの病気の治療に当たってきた著者が、それは俗に言われるように「正常」と断絶された「狂気」とされるものなのか、あるいは治療法のある「症状」なのかを問題意識としながら、この病気の本態を語り尽くす。
また、この病気に見られる「現実の否認」「現在の消失」「心的エネルギーの回路づけの不具合」「昏迷」などの特徴が、ヒトの心的特性の極端化であり、時代の精神的風潮とも繋がっていることに射程を拡げていく。
自らを「内臓の医者」と称する精神科医が見極めた、病の本態と人間の心の働き方。
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目次
第1章 「スキゾフレニア」の履歴
第2章 始まりの不具合
第3章 奇妙な世界に入り込んで……
第4章 運動・思考が停止する!
第5章 「現実」の変容より「現在」の喪失の方が重い病
第6章 フィールドへ出よ
第7章 身の内にうごめくもの、その否認
第8章 眼も耳も嘘をつく――修正するのはアクション
第9章 脱施設化再考――終わっていない課題
第10章 心を概念化するメカニズム――メタファー経由の理解
書誌情報
紙版
発売日
2018年01月13日
ISBN
9784062586696
判型
四六
価格
定価:1,815円(本体1,650円)
通巻番号
667
ページ数
256ページ
シリーズ
講談社選書メチエ
電子版
発売日
2018年01月26日
JDCN
06A0000000000012377X
著者紹介
1939年生まれ。千葉大学医学部卒業。医学博士。 千葉県精神科医療センターの設立に参画、現在名誉センター長。公徳会佐藤病院顧問。精神科救急医療という分野の開拓者で、日本精神救急学会前理事長。著書に『統合失調症あるいは精神分裂病』『脳と人間』『インスティテューショナリズムを超えて』など、訳書に『肉中の哲学』(レイコフ、ジョンソン著)など。
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