
抗老期
コウロウキ
- 著: 上坂 冬子

人間、そうは簡単に老けこめない。まだまだっ!!
日々、「老い」を実感すれど、日々、「抗老」の気持ちもつのる。人生の最終ステージも「抗老」の精神があれば、元気もでるし、生きる甲斐もある!!
老いという字はつつましすぎる。手垢にまみれてしょんぼり見える。介護という字と隣り合わせで、暗く困った印象を受ける。こんな字になびいたりするものか。どこかでツンと抵抗していたい。抗老期と名づけた所以(ゆえん)である。
このごろの私は、面倒なものは無意識のうちに整理したくなっている。人生の終点に近づいているのを本能的に悟りはじめているのであろう。達観の境地かと思ったが、逆に面白い人の話には我を忘れてのめりこむ新しい情熱も湧いてきた。他人の話を聞いて、ここぞという一点で確実に反応する情熱だけ確保できれば、ほかにはもう何もいらない。いずれまた変化するかもしれないけれど、いまのところ私はこんな境地にたどりついた。
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目次
第1章 ようやくわかる
第2章 あの人も、この人も
第3章 いまとなっては
第4章 老化のせいだとしても
第5章 うなずける
書誌情報
紙版
発売日
2000年02月23日
ISBN
9784062720052
判型
新書
価格
定価:943円(本体857円)
通巻番号
ページ数
240ページ
シリーズ
講談社+α新書