聖書物語 男と女その後どうなった

聖書物語 男と女その後どうなった

セイショモノガタリオトコトオンナソノゴドウナッタ

講談社+α新書

「聖書」の裏に隠された生々しい愛憎ドラマ!
アダムやエバ、アブラハム、マリア……聖書に登場する有名人たちはどういう人生を送ったのか。人間臭い神様、禁欲純潔を称揚する聖書がもっと身近になる本!!

聖書の「外典」や「偽典」の多くの文書を特徴づけている人間臭さは、同時に大衆性である。「正典」ではほとんど触れられていない幼年時代のイエスが、泥で作った12羽の雀を飛ばしたり、文字を教えようとする教師に最初のアルファの文字の意義を問い詰めてやり込めたりする。これは「トマスによるイエスの幼児物語」だが、その神話というより民話的なお話から浮かび上がってくるのは、おそらく作者の意図に反して、何とも小生意気な少年イエス像である。男と女をめぐってはかなりきわどい、それもいささかアブノーマル趣味的な叙述が目につく。禁欲純潔の称揚と奨励が意図でありながら、文章の行間に漂うのは性に対する悶々の情と執着であり、秘められた憧憬である。


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目次

第1話 失楽園、アダムとエバのその後の人生
第2話 男嫌いアセナテと女嫌いヨセフの結婚
第3話 女傑ユディト、決死の機略で宿願成就
第4話 美女スザンナを窮地におとしいれた企み
第5話 995歳、アブラハムの生への執念
第6話 天使が道連れ、トビアの不思議な旅
第7話 あわや野獣の餌食に、テクラの奇跡
第8話 「屍姦」から救われた人妻と使徒ヨハネ
第9話 使徒トマスに魅了された権力者の妻たち
第10話 処女マリアが男を知らず子を産むまで

書誌情報

紙版

発売日

2001年05月21日

ISBN

9784062720724

判型

新書

価格

定価:858円(本体780円)

通巻番号

ページ数

240ページ

シリーズ

講談社+α新書

著者紹介