なぜ宗教は平和を妨げるのか

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なぜ宗教は平和を妨げるのか

ナゼシュウキョウハヘイワヲサマタゲルノカセイギタイギノナノモトデ

講談社+α新書

アメリカ教・キリスト教とイスラム教、終わりなき戦い!!
宗教・民族・領土・政治・経済の原理が世界を複雑にし、国家間や民族間対立の溝を深くする。歴史をひもとき、正義の仮面の下で宗教を歪める人間のエゴを衝く!

かねてからテロリストのゲリラ攻撃に悩まされているアメリカは、イスラム原理主義を「正義」に真っ向から対立する「邪悪」と決めつけている。だからこそテロリスト対策組織につけられた最初のコードネームは、「無限の正義」だったのである。後になって、イスラム教徒から批判を受けたため、引っ込めたものの、そこにあったのは「悪」を<対象化>させる構造であったことは明らかである。
しかし、イスラム原理主義をアメリカ自身が持つ世俗的原理主義の「投影」でないと、果たして言いきれるのだろうか。アメリカが中心となった市場原理主義が目覚ましい経済発展を遂げていく一方で、途上国の貧困がどんどん進んでいく。しかもその貧困国の大半がイスラム教圏にある。

●グローバリズムという大宣教命令
●世界貿易センターはカーバ神殿
●米大統領が失言した「十字軍」
●『コーラン』に記されている敵意
●何がイスラエルを怒らせるのか
●パレスチナは原理主義の交差点
●必ずしも平和愛好者でない仏教徒
●原理主義に走りやすいイスラム教
●紛争という家族の不幸
●人類は宗教を乗り越えられるか


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目次

はじめに
第一章 二つの〈影〉の戦い
われわれに与えられた一つの啓示
〈対象化〉という逃避行
イスラム原理主義はアメリカの影
見ることのできない紛争の裏側
「アメリカ教」という隠された宗教
グローバリズムという大宣教命令
世界貿易センターとカーバ神殿
米大統領が失言した「十字軍」
ほんとうの敵は誰なのか
紛争を〈内在化〉する勇気
第二章 エルサレムという人類の十字架
イスラム世界への無知と無関心
ユダヤ人の歴史的記憶
『コーラン』に記されている敵意
パレスチナで何が起きているのか
何がイスラエルを怒らせるのか
テロリストが抱く成功への脅威
平和を歓迎しない人間もいる
パレスチナは原理主義の交差点
ユダヤ教徒を追い詰めたもの
第三章 衝突する「正義」の歴史
北アイルランドとルターの呪い
アメリカ南部の教会焼き討ち事件
ロシア正教とイスラム教の戦い
妄想性障害にかかるバルカン半島
現代版メソポタミア対ペルシア戦
インド大陸に刻まれた歴史的屈辱
必ずしも平和愛好者でない仏教徒
アフリカを暗黒大陸にしたのは誰
第四章 なぜ信仰ある者が人を殺めるのか
宗教に不可避な盲目性
〈狂い〉と「悪性のナルシズム」
宗教を歪める三つのエゴ
正義の仮面をかぶった人間のエゴ
「宗教の原理」信仰の動脈硬化へ
「民族の原理」抑圧への反発
「政治の原理」は世界を切り刻む
「領土の原理」は人類誕生から
宗教もまた一つの領土である
「経済の原理」核心に貧困の問題
原理主義に走りやすいイスラム教
第五章 いかに平和を構築するのか
紛争という家族の不幸
自分の中のテロリスト
許されない大地への冒涜
必要なのは〈影〉との対話
絶望と人類の叡智
人類は宗教を乗り越えられるか
あとがき
参考文献

書誌情報

紙版

発売日

2004年01月22日

ISBN

9784062722339

判型

新書

価格

定価:924円(本体840円)

通巻番号

ページ数

240ページ

シリーズ

講談社+α新書

電子版

発売日

2011年11月11日

JDCN

0627223300100011000Q

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