「準」ひきこ森

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「準」ひきこ森

ジュンヒキコモリ

講談社+α新書

授業には出る、バイトもせず、女の子と遊びまわるわけでもない。こんな親を安心させる息子は友達が誰もいない。キモクて孤独な、何かが決定的に欠けている人々! 私の「準ひきこもり」に対するイメージは「準ひきこ森」である。誰もいない森の中で膝を抱えて座っている孤独な青年。孤独地獄の中で、それでも誰かを待っている孤独な人。


ネット騒然!! コミュニケーション不全の新理論!
親も教師も気づいたときはもう遅い!
授業に出る、バイトも女遊びもしないけど、決定的に何かが欠けている人々。これってオレのこと……?

とにかく、どんなに励まそうと、焚きつけようと、彼はただその場を取りつくろうだけで、絶対に就職活動を行おうとはしなかった。それは極めて強い拒絶であった。そんなある時、突然私は次のことをひらめいたのである。「就職活動などできるわけがない。実は彼はひきこもりなのだ」。大学にはきちんと来ており、単位もしっかり取れているので、彼は大学生活に適応していると思い込んでいたのであるが、大学という誰とも関わらずに過ごしていける環境の中で、偽りの適応を示していただけのことで、ライフスタイルの本質はひきこもりと何ら変わりはないのだ。つまり彼は、「準ひきこもり」なのだ。ところで私の「準ひきこもり」に対するイメージは「準ひきこ森」である。誰もいない森の中で膝を抱えて座っている孤独な青年。孤独地獄の中で、それでも誰かを待っている孤独な人。

●準ひきこもりの発見
●まじめで夜遊びもしない優秀な子
●自宅と大学を往復するだけ
●人との距離が測れない
●かぐや姫症候群
●なぜわが子だけがそうなのか
●常識不足な態度と無神経さ
●準ひきこもりの皆さんへ
●「いつかやる」なら今やれ
●自分で自分の独房を打ち破れ


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目次

第一章 準ひきこもりの発見
 準ひきこもりの詩(I)
 まじめで夜遊びもしない優秀な子
 準ひきこもりとの出会い
 大学はコンビニや映画館と同じ
 人間関係能力の「落ちこぼれ」
 準ひきこもり発見の意義
 他者との交流ができない人たち
 ひきこもり、ステューデント・アパシーとの違い
 典型的な準ひきこもり学生の生活
 いつも仲間はずれだった
 タネはずっと前から蒔かれていた
 自宅と大学を往復するだけ
 他
第二章 準ひきこもり学生とはどんな人たちか
 準ひきこもりの詩(II)
 まず認識することから
 性格・行動的側面
 学習の側面(知的側面)
 人間関係の側面(社会的側面)
 アルバイトもできない
 適応力がなく敵が増える一方
 女性にもてず、友だちもいない
 他
第三章 準ひきこもりの事例研究──病める魂の漂流
 準ひきこもりの詩(III)
 社会的スキルの指導は可能か
 B君(大学二年生・二〇歳・男子)
 B君との出会い
 会話が成立しない
 大学に電話するのが「大変な苦労」
 他
第四章 準ひきこもりの人々の内面
 準ひきこもりの詩(IV)
 日常の心象風景
 妄想にかられる日々
 もの集めにかける心理
 恋する準ひきこもり
 欲望の準ひきこもり
 枯れかけのしおれた植物
 毎日何と闘っているのか
 他
第五章 かぐや姫症候群
 かぐや姫との共通点
 『竹取物語』について
 かぐや姫の成長過程
 社会の呼びかけ
 親の嘆き、懇願
 無理難題でごまかす
 最後通牒にも拒絶反応
 親も言うことをきかせられない
 親が厳しくなりきれない
 他
第六章 今後の課題
 準ひきこもりの詩(V)
 どのくらい存在するのか
 他
終わりに──準ひきこもりのみなさんへ
 実は私こそが……
 どうやって脱け出せたのか
 外見は人との交流の糸口である
 「いつかやる」なら今やれ
 人との交わり方を変える
 他

書誌情報

紙版

発売日

2006年10月21日

ISBN

9784062724050

判型

新書

価格

定価:817円(本体743円)

通巻番号

ページ数

208ページ

シリーズ

講談社+α新書

電子版

発売日

2014年03月14日

JDCN

0627240500100011000A

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