
マイページに作品情報をお届け!
熊の敷石
クマノシキイシ
- 著: 堀江 敏幸

堀江敏幸の文章は、いろっぽいのだ。――川上弘美(「解説」より)
芥川賞受賞作
「なんとなく」という感覚に支えられた違和と理解。そんな人とのつながりはあるのだろうか。 フランス滞在中、旧友ヤンを田舎に訪ねた私が出会ったのは、友につらなるユダヤ人の歴史と経験、そして家主の女性と目の見えない幼い息子だった。 芥川賞受賞の表題作をはじめ、人生の真実を静かに照らしだす作品集。
ヤンはそこでふいに立ち上がってレンジのほうへいき、やかんを火にかけ、そのままなにも言わず2階にあがって、大きな写真立てを持って下りてきた。私にそれを差し出し、もういちどレンジに戻って火を調節しながら、珈琲か紅茶かと訊いてくる。(「熊の敷石」より)
オンライン書店で購入する
書誌情報
紙版
発売日
2004年02月13日
ISBN
9784062739580
判型
A6
価格
定価:715円(本体650円)
ページ数
192ページ
シリーズ
講談社文庫
初出
01年2月、小社より刊行。
収録作品
-
作品名初出
-
作品名
熊の敷石
初出
『群像』’00年12月号
-
作品名
砂売りが通る
初出
『新潮』’00年7月号
-
作品名
城址にて
初出
『新潮』’99年7月号