デリダ

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デリダ

デリダダツコウチク

●デリダ(Jacques Derrida 1930‐)
フランスの哲学者。仏社会科学高等研究院教授。現象学と構造主義の再検討から出発し、ロゴス中心主義の哲学、文化、社会がそれにとらえきれない「まったき他者」を排除、隠蔽してきたことを指摘。尖鋭で長大な射程をもつ問いかけが大きな反響を呼び起こしている。『グラマトロジーについて』『エクリチュールと差異』『弔鐘』『プシケー』『法の力』など著作多数。

脱構築(deconstruction)
形而上学や伝統が、内部/外部、自己/他者、真理/虚偽、善/悪、自然/技術、男/女、西洋/非西洋/などと階層秩序的二項対立を立て、支配的な項の純粋現前を追求することには、そうした思考ではとらえられない「他者」を排除する欲望が潜(ひそ)んでおり、脱構築的思考はその欲望を暴き出そうとする。しかし脱構築とは否定に終始するニヒリズムではなく、他者を他者として受け入れ、その呼びかけに応(こた)え、決して現前しない「正義」の到来を志向する。それは哲学、芸術から政治、倫理、法、宗教などあらゆる営為をとらえ直す、ラディカルな「肯定」の運動である。


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書誌情報

紙版

発売日

2003年07月12日

ISBN

9784062743549

判型

四六変型

価格

定価:1,650円(本体1,500円)

ページ数

338ページ

初出

本書はシリーズ「現代思想の冒険者たち」28巻『デリダ』の新装版。

著者紹介

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