影の王国

影の王国

カゲノオウコク

講談社文庫

『ミスティック・リバー』デニス・ルヘイン、『サイレント・ジョー』T・ジェファーソン・パーカー、『曇りなき正義』ジョージ・P・ペレケーノスらの傑作をおさえ、ハメット賞を受賞したスパイ・スリラーの最高傑作!

パリに住むハンガリー人モラートは、2つの顔を持っていた。ひとつは広告代理店の共同経営者、もうひとつは秘密活動を行うスパイである。第2次大戦開戦直前のパリで、優雅な暮らしを満喫しながら、一方でヒトラーに抗い、祖国を守ろうと暗躍した男の姿を描いた傑作スパイ・スリラー。ハメット賞受賞作。

モラートもヘミングウェイと同じように虚無感を抱えている。が、それでも彼は伯父の求めに応じてスパイ活動に飛びこんでいき、どんな目にあっても泣き言をいわず、ストイックに行動していく。歴史小説の要素がどうのという以前に、男も惚れるヒーローの物語として、この小説はたまらなく魅力的なのだ。この点を考えると、本書がダシール・ハメットの名を冠した賞を受賞したのは、実は非常に当を得たことではないかと思えてくる。――<「訳者あとがき」より>


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書誌情報

紙版

発売日

2005年08月11日

ISBN

9784062751711

判型

A6

価格

定価:880円(本体800円)

ページ数

448ページ

シリーズ

講談社文庫

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