
口は災い
クチハワザワイ

アイルランド系移民の栄光にしのびよる影
移住希望者ひしめくエリス島で起きた殺人。美人逃亡者モリー・マーフィーが、持ち前の勇気と知恵と行動力でニューヨークの街を駆け巡る。
20世紀初頭、殺人を犯してアイルランドの実家を飛び出したモリーは、かくまってくれたキャスリーンの子供たちを、肺病の彼女に代わって夫の待つニューヨークに連れていくことに。しかし、船のなかでモリーの嘘を嗅ぎ付けて脅してきた男が入国目前のエリス島で殺されて……。アガサ賞最優秀長篇賞を受賞。
モリーはとにかく威勢がいい。弱者、とりわけ女性は耐え忍ぶのが当然、という古い時代の中で、正しいと思ったことをズバズバいい、誰かに頼るのではなく自分で運命を切り開いていこうとする。それでいて、おしゃれにも気を遣い、ハンサムな男性には胸をときめかす。実際にモリーのような女性がいたら、友だちになって、ひと晩しゃべり明かしたくなりそうだ。――<「訳者あとがき」より>
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書誌情報
紙版
発売日
2007年06月15日
ISBN
9784062757720
判型
A6
価格
定価:943円(本体857円)
ページ数
384ページ
シリーズ
講談社文庫