人間 井深大

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人間 井深大

ニンゲンイブカマサル

講談社文庫

日本の代表的メーカーSONYの創業者・井深大の人生を家系の源流にまでさかのぼり、その率直で飾らない人柄、会社においての人材の活かし方などを多くの証言から構成。SONY経営とともに生涯をかけて取り組んだ障害者支援や幼児教育など、科学万能主義と決別し人間性にスポットをあてる「パラダイムシフト」を重視した井深大の「経済人」としての側面だけでなく「人間」としての在り方、生き方を描き出す。(講談社文庫)


高杉良氏激賞!
井深さんの高潔な人柄が文化勲章につながったのだろう。その足跡はSONYの創業者にとどまらない、大切なメッセージを残してくれた。評伝の決定版

学生時代に「光電話」「走るネオン」と立て続けに実験を成功させて天才発明家として名を馳せ、SONYを創業した井深大。家系の源流から組織における人材の活かし方、生涯をかけて取り組んだ障害者支援と幼児教育まで、綿密な取材によって描いた評伝の決定版。その人柄と先見性は時を超えた輝きを放つ。

事実と井深さん自身の言葉と他者の証言に徹した「伝記」は、著者の真摯な姿勢と稀なるピュアな精神に支えられ、また徹底した取材力によって井深さんの素敵な人品骨柄が、なんの外連(けれん)もなくストレートに、しかも圧倒的なリアリティを伴って読者の心に諄々としみこんでくる。――児玉清「解説」より


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目次

プロローグ
文化勲章
第Ⅰ部 環境が人をつくる
 第1章 日光清瀧
生誕の地
若き日の父の痕跡
父母の“縁結び”は新渡戸稲造
父の死
母の予感
 第2章 井深家の系譜
信濃から会津へ
起伏に富む系譜
白虎隊
 第3章 祖父・基という人
お母さん子
「随処に主となる」生き方
藩校“日新館”の師弟
 第4章 生き続ける母の心
“壊し屋”大ちゃん
母子ふたり暮らし
転校続きの小学時代
母の再婚
読書と機械いじり
神戸へ、そして母の死
 第5章 科学少年が巣立つ日
母校、神戸諏訪山小学校でテレビ授業
校則のない丘の学校
友情のハム式メッセージ
“友愛学舎”事件
卒業実験“光電話”で世間のド肝ぬく
第Ⅱ部 人を活かす
 第1章 好きなことがやれる
就 職
PCLで学んだこと
人生の分岐点
部下思い
 第2章 生涯のパートナー
対照的経営の両輪
再 会
長老トリオの存在
躍進への新製品
「SONY」マーク
 第3章 東通工の新卒採用一号社員
「社長を驚かしてやろう」
紙から音が出る機械
三つの挿話
自由で愉快な理想工場
 第4章 果敢な人材スカウト
異色の人材
好奇心の人
社長のカミナリ
人寄せ上手
公私に厳しい峻別
 第5章 最高の還暦祝い
トリニトロン開発秘話
それぞれの辛い日々
みにくい卵から
傷だらけの掌
苦闘の末に
創業者の心を伝承
第Ⅲ部 心の時代へ
 第1章 家庭人としての井深
“遊魂”の人
一男二女
再 婚
子から見る父親像
 第2章 「身障者の自活」を支援
栃木“希望の家”
大分“太陽の家”
「現場の社員が可愛い」
“会津の血”脈々と
優しい国づくりへ
 第3章 お母さんしっかり
人づくりの原点
幼児開発
子育て、母育て
 第4章 東洋医学に傾斜
西洋医学不信
生命情報研究所
O‐リングテスト
“気”の世界
 第5章 友達っていいな
本田宗一郎
谷川譲
エピローグ
一粒の涙をこぼす少年
パラダイムシフト
あとがき
井深 大氏を悼む
巻末■参考資料一覧
井深大略年譜
文庫版のための「あとがき」

書誌情報

紙版

発売日

2010年02月13日

ISBN

9784062765817

判型

A6

価格

定価:765円(本体695円)

ページ数

368ページ

シリーズ

講談社文庫

電子版

発売日

2012年10月26日

JDCN

0627658100100011000D

初出

1993年9月に日本工業新聞社より刊行されたもの。

著者紹介

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