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猫のあしあと
ネコノアシアト
- 著: 町田 康

ヘッケとココアが去った町田家に、また一頭、二頭とやって来た猫たち。目が合えば威嚇され、世話をすれば激怒され、平謝りの暮らしが始まった。決死の爪切り大作戦、ケージ移動のために考案したインド風ラジオ体操、「一平ちゃん」をかき込みながらの徹夜の看病。今日もまた生きていく、人間と猫の日々。
拙宅の猫たちと、仕事場の猫たち。別れて暮らす、そのわけは。
ロングセラーフォトエッセイ、未発表写真を増補して文庫化。
ヘッケとココアが去った町田家に、また一頭、二頭とやって来た猫たち。目が合えば威嚇され、世話をすれば激怒され、平謝りの暮らしが始まった。決死の爪切り大作戦、ケージ移動のために考案したインド風ラジオ体操、「一平ちゃん」をかき込みながらの徹夜の看病。今日もまた生きていく、人間と猫の日々。
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目次
仕事場の猫たち
ニゴとトラ
ケージの引っ越し
トラの恢復を祈る
猫に説法
カスタマイズ
トラの引っ越し
猫とギター
トラ丸くなる、しかし……!
爪切り大作戦
ステテコおっさんの悲劇
手術、いざ!
丸目・丸顔
いつの間にか命名
猫も外見で判断してはいけない
消失マジックを習得し、ついに脱柵か
ヘッケ一族の奇妙な習性
ウメチャン、不当な扱いに黙す
ウメチャン引っ越し作戦、開始
インド風ラジオ体操、そして流し素麺
難儀した引っ越し作戦はあっけなく完了
忙しいことはよいことだ
ウメチャンの異変
苦痛の中でなお身構える、悲しい本能
六月のある朝、ウメチャンは逝った
ウメチャンはヘッケの隣に眠る
猫と違って人間はいろいろ難しい
インターネットの中の猫たちと、私の利己主義
「うーん。どうかなあ」
あまりにも小さな黒猫
黒猫エルの危機
助かる、とはいえない状態
エル、危機を脱する
奈奈、エルの姿を認める
ありうべからざることが起きている
ついにエルが自力で餌を食べた
ちっともやる気が起こらぬ日の出来事
明け方に響く異様な音の正体
猫にだけ見える廊下があるのかも知れない
ゲンゾーは爪をぼろぼろにして戻ってきた
待ってくれ。俺を置いていかないでくれ
ゲンゾーはただじっと目をみひらいていた
秋の午後二時、ゲンゾーは逝った
ゲンちゃん、寄り道しちゃ駄目よ
ゲンゾーの死因に、自責の念
単行本あとがき
書誌情報
紙版
発売日
2012年12月14日
ISBN
9784062774239
判型
A6
価格
定価:671円(本体610円)
ページ数
272ページ
シリーズ
講談社文庫
電子版
発売日
2013年01月11日
JDCN
0627742300100011000B
初出
2007年10月、小社より単行本として刊行された。
著者紹介
著: 町田 康(マチダ コウ)
作家・パンク歌手。1962年大阪府生まれ。高校時代からバンド活動を始め、’81年に伝説的なパンクバンド「INU」を結成、『メシ喰うな』でレコードデビュー。’92年に処女詩集『供花』刊行。’96年に発表した処女小説「くっすん大黒」で野間文芸新人賞、ドゥマゴ文学賞を受賞。2000年「きれぎれ」で芥川賞、’01年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、’02年『権現の踊り子』で川端康成文学賞、’05年『告白』で谷崎潤一郎賞、’08年『宿屋めぐり』で野間文芸賞をそれぞれ受賞。近著『バイ貝』『ゴランノスポン』『スピンク日記』『猫とあほんだら』『どつぼ超然』『人間小唄』他、著書多数。