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醜聞の作法
シュウブンノサホウ
- 著: 佐藤 亜紀

さる侯爵が、美しい養女ジュリーを、放蕩三昧の金持ちに輿入れさせようと企んだ。ところが、ジュリーには結婚を誓い合った若者がいる。候爵夫人は、この縁談に胸を痛め、パリのみならずフランス全土で流行していた訴訟の手管を使う奸計を巡らせた。すなわち、誹謗文を流布させ、悪評を流して醜聞を炎上させるのだ。この醜聞の代筆屋として白羽の矢が立ったのは、腕は良いがうだつの上がらない弁護士、ルフォンだった。
18世紀末、フランスのTwitterは、「パンフレット」だった。
金持ちの狒々爺(エロじじい)との、ぞっとする縁談を壊すために侯爵夫人が取った手段は――誹謗文(パンフレット)。そう、パリ中に噂を撒けばよい。
『ミノタウロス』の著者が奏でる、エッジの効いた諷刺小説
猛火に包まれたゴシップが、パリを駆けめぐる――
いつの世も、人は醜聞(ゴシップ)がないと生きてゆけない。
さる侯爵が、美しい養女ジュリーを、放蕩三昧の金持ちV***氏に輿入れさせようと企んだ。ところが、ジュリーには結婚を誓い合った若者がいる。彼女を我が子同然に可愛がり育ててきた候爵夫人は、この縁談に胸を痛め、パリのみならずフランス全土で流行していた訴訟の手管を使う奸計を巡らせた。すなわち、誹謗文を流布させ、悪評を流して醜聞を炎上させるのだ。この醜聞の代筆屋として白羽の矢が立ったのは、腕は良いがうだつの上がらない弁護士、ルフォンだった。哀れルフォンの命運やいかに――。
書誌情報
紙版
発売日
2013年12月13日
ISBN
9784062777025
判型
A6
価格
定価:759円(本体690円)
ページ数
256ページ
シリーズ
講談社文庫
初出
講談社創業100周年記念書き下ろし作品として2010年12月に刊行。