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娼婦の眼 新装版
ショウフノメシンソウバン
- 著: 池波 正太郎

江戸情緒の残る戦前の下町に生を享けた池波正太郎にとって、娼婦たちは身近な存在であった。昭和三十年代が舞台の本書は、著者には珍しい現代小説であり、その艶笑譚には彼の温かな人間観が見事に表われている。後に著す「仕掛人・藤枝梅安」などの時代小説群にも大きな関わりのある傑作を、ここに復刊。
「真暗闇」「絶対喋らない」変った2条件を出す客に気に入られたすみ江。自分と過した翌日は奇妙に勝てる力士に夢中になる加津子。妹の結婚で微妙に心がさわぐ万里子……。金の力を信じて男を頼らず、胸を張って自分を高く売る娼婦たちの、逞しく、しかも優雅に生きる姿をユーモアも交えて描く、筆者には珍しい現代小説の復刻版。
江戸情緒の残る戦前の下町に生を享けた池波正太郎にとって、娼婦たちは身近な存在であった。昭和三十年代が舞台の本書は、著者には珍しい現代小説であり、その艶笑譚には彼の温かな人間観が見事に表われている。後に著す「仕掛人・藤枝梅安」などの時代小説群にも大きな関わりのある傑作を、ここに復刊。
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目次
娼婦の眼
今夜の口紅
娼婦万里子の旅
娼婦すみ江の声
娼婦の揺り椅子
娼婦たみ子の一生
巨人と娼婦
乳房と髭
昼と夜
ピンからキリまで
書誌情報
紙版
発売日
2014年01月15日
ISBN
9784062777537
判型
A6
価格
定価:924円(本体840円)
ページ数
448ページ
シリーズ
講談社文庫
電子版
発売日
2014年03月14日
JDCN
0627775300100011000N
初出
『講談社倶楽部』1961年5月号、7月号、10月号、12月号、1962年1月号、3月号、5月号、10月号、『週刊大衆』1962年6月2日号、1963年1月26日号、単行本1965年9月(青樹社)、文庫本1981年5月(講談社文庫)
著者紹介
1923年東京都生まれ。『錯乱』にて第43回直木賞を受賞。『殺しの四人』『春雪仕掛針』『梅安最合傘』で3度小説現代読者賞を受賞。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」を中心とした作家活動により、第11回吉川英治文学賞を受賞したほか『市松小僧の女』で第3回大谷竹次郎賞を受賞。「大衆文学の真髄である新しいヒーローを創出し、現代の男の生き方を時代小説の中に活写、読者の圧倒的支持を得た」として第36回菊池寛賞を受けた。1990年5月、67歳で逝去。