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旧暦で日本を楽しむ
キュウレキデニホンヲタノシム
- 著: 千葉 望

「願わくは花のもとにて春死なん その如月の望月のころ」―――そう西行が歌った”如月”とは2月じゃない? 織姫と彦星が出会うはずの七夕はなぜ梅雨の真っ最中? 赤穂浪士が吉良邸に討ち入ったのは12月14日じゃなかった? 正月とは、春の到来を祝うイベントだった? ……これらは暦のいたずらによって起きたこと。もはや失われたと思われている花鳥風月を愛でる日本人の心を、「陰暦」を通して蘇らせる。
「願わくは花のもとにて春死なん その如月の望月のころ」
――そう西行が歌った”如月”は2月じゃない?
「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」
――奥の細道で芭蕉が聴き入った5月に蝉はいないはず?
織姫と彦星が出会うはずの七夕はなぜ梅雨の真っ最中?
赤穂浪士が吉良邸に討ち入ったのは12月14日じゃなかった?
お正月とは、春の到来を祝うイベントだった?
これらはすべて、暦のいたずらによって起きたこと。
花鳥風月を愛でる日本文化はもはや失われたと思われているけれど、著者は、私たちの中にひそんでいる情緒は今も健在だと考える。日本人が実感として心地よく感じられる季節の移ろいを、「陰暦」を通して蘇らせる。
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目次
まえがき
陰暦でめぐる忠臣蔵
初春
若菜摘みの季節がやってきた
木曾義仲を慕った松尾芭蕉
春
西行忌と冬の桜
桃の節供を陰暦で迎える
増上寺に「花祭り」を訪ねて
京の桜と夏越の祓
夏
端午の節供
田の神と共に生きた日本人
夏祭りは新暦か旧暦か
変わりゆく五月雨の景色
初秋
七夕こそぜひ旧暦で
岩手と東京の盂蘭盆会
蝉時雨と八朔の雪
奥会津で焼畑に挑む
秋
東北の秋、東京の秋
中秋の名月と月見寺
着物は新暦・旧暦併用がいい
後の月見と秋を愛でる心
初冬
神在月と日本神話
浅草・長国寺の酉の市を歩く
炉開きと亥の子餅
京の顔見世と藤沢遊行寺の「一つ火」
冬
羽子板市と平日の蕎麦酒
去年今年貫くものは鐘の音
初春
劇場の正月飾りと小正月の水木団子
豪雪の奥会津で伝統を受け継ぐ人々
「春立ちてまだ九日」の九州への旅
あとがき
参考文献
書誌情報
紙版
発売日
2014年04月22日
ISBN
9784062815536
判型
A6変型
価格
定価:759円(本体690円)
通巻番号
ページ数
272ページ
シリーズ
講談社+α文庫
電子版
発売日
2014年06月06日
JDCN
0628155300100011000E
初出
2007年6月にランダムハウス講談社より刊行された「陰暦暮らし」を再構成し、文庫化したもの。
著者紹介
著: 千葉 望(チバ ノゾミ)
千葉望/ちばのぞみ 1957年岩手県生まれ。1980年早稲田大学文学部日本文学専修卒業。 ノンフィクション・ライターとして、人物インタビューやルポ、書評などを執筆。趣味は、茶道、書道、歌舞伎や能の鑑賞、寺社めぐり、着物、スポーツ観戦、友人たちとの楽しいお酒など。 著書に『古いものに恋をして。骨董屋の女主人たち』(2006/里文出版)、『古いものに恋をして。「好き」を生きる女性た』(2008/里文出版)、『実践する!仏教』(2004/すばる舎)ほか。